サプリメントについて知ろう!

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人間は体内で栄養素をつくれない生物

多くの動物はビタミンc以外の栄養を自前でつくることができませんが、人間はビタミンcすらも作ることができないのです。ビタミン、必須ミネラル、必須アミノ酸、必須脂肪酸など、これらはみな人間の体内でつくることができない「必須」のつく栄養素です。

私達はこの「必須「の栄養素の数が、どんな動物よりも多く、生きて行くためには必ずそれらを摂取しなければなりません。私達人間は、進化の過程で、栄養素をつくるという行為を止めて食べること外部に委託するようになりました。こうした人間のような生物を「従属栄養生物」と言います。

そんな動物でありながら、さらに私達は遺伝や環境的なさまざまな問題によって、栄養素の不足がアンバランスが起きやすく、栄養素の消費が多くなったときなどは、その分の栄養素を補給しなくてはならないようにできています。つまり、私達にとって栄養は命の源になります。

滋養強壮剤のビタミンは体のどこに効果があるの?

今、多くの人が訴える症状に「慢性疲労」があります。慢性疲労とは「一晩寝てもとれない強い疲労が6ケ月以上続く」状態をさすと定義されています。

私たちが、「この状態はヤバい」と感じる症状として「痛み」や「発熱」が挙げられますが、痛みには鎮痛剤、発熱には解熱剤といった薬があり、それらを摂取することで症状を緩和することができますが、疲労を軽減する薬はありません。

そのため、痛みや発熱等の症状が出ない限り、疲労だけで危機感を持つ人は少ないように思います。けれど、この疲労を放置しておくことで、様々な病気が進行していくことから、本当は発熱や痛み以上に神経を使って対処しないといけない症状になります。

昨今では、健康意識が高い人の間で、疲労対策として、滋養強壮剤を飲んだり、ビタミン点滴をうったりすることがブームになっています。

「滋養強壮剤」や、ビタミン点滴剤には、多くはビタミンB1、B2、B6など、ビタミンB群が配合されいますが、これらのビタミンは体のどこに聞くことで疲労を取り去ってくれるのでしょうか?

肝臓でしょうか? それとも心臓? もしくは筋肉? 

実は「細胞」アプローチすることで疲労を取り去ってくれるんです。私達の体は、約60兆個の細胞からできています。細胞は、体を構成する基本的な単位であり、生命現象を営む最小の機能単位になります。

つまり、

① 細胞が集まる → 組織をつくる ② 組織が組み合わさる → 器官をつくる ③ 器官があつまる → 全体として調和統一のとれた固体(体)が作られる

ということになります。

これらの細胞は、役割に応じて形も大きさも異なる様相を呈していますが、その基本となる構造は、どれもほとんど変わりはありません。生命活動を維持するために必要なすべてが、一つひとつの細胞にしっかり組み入れられているからにほかならないため、栄養はこの細胞に働きかけて機能を維持していくのです。

細胞について詳しく知らいたい方はこちら>> 細胞について知ろう!!

補強する優先順位を間違えると効果は激減する

サプリメントを摂る時には、それぞれの性質を良く理解して、優先順位に従って摂取することが大切です。サプリメントは、次の4つに分類できます。

1 ビタミン、ミネラル、プロテイン

2 ファイバー、レシチン、EPA&DHA

3 コエンザイムQ10、クエン酸、核酸、乳酸菌、コラーゲン、グルコサミン、コンドロイチン

4 イチョウ葉エキス、カモミール、ガーリック、エネキシアなどのハーブ類

1は、新陳代謝に必要なサプリメントで人類すべてに共通して必要な栄養素であり、体の基本的な機能の維持にも不可欠です。

2は、健康維持のために欠かせないもので、日本人に特に必要な必須サプリメントです。

1と2は、ベースサプリメントで代謝にかかわる重要な栄養素です。ほかのもので代用ができないため、まずこの6種類をしっかり摂る必要があります。

3は、準栄養素のサプリメントで、1の栄養素により、体内で大半が合成されます。

4は植物の薬理成分を利用するものです。

3,4はオプショナルサプリメントで体調や体質にあわせ、その症状や効能を求めて一時的に摂取します。1と2を摂ったうえで、合わせて取るのが効果的です。

サプリメントの種類

マルチビタミン

【効能】

マルチビタミ(総合ビタミン)は、複数のビタミンを一度に摂れるサプリメントです。

ビタミンは13種類ありますが、そのうちひとつでも不足しているものがあると、その不足しているもののレベルまでしか効果が発揮できません。

マルチビタミンには、ビタミンA、B1、B2、B3(ナイアシン)、B6、B12、パントテン酸、葉酸、ビオチン、C、E、Kの13種類すべてが入っているれば理想的です。

最低でもビタミンKとビオチンを除く11種類が必要です。

【摂取方法】

摂取量は、メーカーのおすすめ量に従いましょう。

1日1個なら浅い、2個なら朝・夕、3個なら朝・昼・夕の食事ごとにわけて摂るのがよいでしょう。

ビタミンA(肌と目の健康に必要)

【効能】

ビタミンAには、視力を正常に保ったり、皮膚や髪を健康にする、粘膜を丈夫にして風邪などの感染症のウィルスや最近から身を守るなどの働きがあります。

不足すると、視力の低下や夜盲症、口内炎、風邪をひきやすいなどのトラブルがあらわれます。

【摂取方法】

ビタミンAは脂溶性で、すでにビタミンAになっている「レチノール」と、体内でビタミンAに変化する「β―カロテン」があります。

サプリメントの成分はβ―カロテンで、ほかのカロテンも配合されたマルチカロテンならより効果的です。

β―カロテンやマルチカロテンは体内に蓄えられ、必要に応じてビタミンAとして使われます。

1日1回の補給で十分です。

ビタミンC

【効能】

ビタミンCは、体の細胞を結合させる組織であるコラーゲンを合成させて、血管や粘膜、皮膚、骨を強くします。

また、免疫力を高めて風邪をひきにくくしたり、抗がん作用もあります。

ストレスに対抗するホルモンの生成にも関わっています。

不足すると風邪をひきやすくなったり、ウィルスに感染したり、出血しやすくなります。

【ビタミンCを多く含む食べ物】

柑橘類やいちご、パイナップルなどの果物、ブロッコリー、キャベツ、ピーマンなどです。

【摂取方法】

ビタミンCは水溶性で、2~3時間で排出されてしまうので、朝・夕取るのがおすすめです。

ビタミンCは、煙草やストレスで大量に消費されます。日頃からストレスを感じている人やたばこを吸う人は、多めに補給したいものです。

ビタミンE(食べるお風呂)

【効能】

ビタミンEは、脂溶性のビタミンで、末梢の血管を拡張させ、全身の血液循環を良くし、冷え性や肩こりを改善します。

抗酸化作用も強く、肌のたるみやシミを防ぐので若返りのビタミンとも言われます。

生活習慣病の予防や改善にも有効です。

【ビタミンEを多く含む食べ物】

ピーナッツやアーモンドなどのナッツ類、緑葉職野菜、サフラワー油や小麦胚芽油などの植物性の脂に多く含まれています。

【摂取方法】

サプリメントのビタミンEには、天然のものと化学合成のものがあります。効果が良いのは天然のほうで、合成のものより2倍近い効力があります。

天然のものにはd-αトコフェロールという表示があります。

同じように抗酸化作用のあるビタミンA、Cと一緒に摂るとより効果的です。

ビタミンB群(代謝の要)

【効能】

ビタミンB群には、B1、B2、B3、B6、B12、パントテン酸、葉酸、ビオチンという8つがあり、糖や脂肪のエネルギー代謝に欠かせないビタミンです。

精神や神経の健康にも関わっているので、不足するとイライラしたり、落ち込みやすくなります。

また頭の働きにも影響します。

B群はビタミンのなかでも、日本人にもっとも不足しているといわれています。

〇 ビタミンB1は糖質の燃焼に必要です。不足すると全身がだるくなったり、脳のエネルギー供給に影響が出て、怒りっぽくなったり不安感が大きくなったりします。

〇 B2は、脂肪の代謝に欠かせません。タンパク質の代謝にも関係していて、細胞の再生を助けたり、皮膚や粘膜を守る働きもあります。不足すると口内炎や口口唇炎ができやすくなります。

〇 B6は、脂肪やタンパク質の代謝を促し、脳の活動にも関わっています。不足すると物忘れや手足のしびれが現れることがあります。

〇 B12は、葉酸とともに血をつくったり、神経を保護する作用があります。腰痛や肩こりの回復にも役立ちます。

〇 B3(ナイアシン)には、血行を促進して、脳神経の働きを高める効果があります。

〇 バントテン酸には、疲労を防いだり、免疫力の強化、傷の治りをよくするなどの働きがあります。

〇 ビオチンは、糖質や脂肪、タンパク質の代謝を助け、健康な皮膚や髪を保つ働きをします。

【摂取方法】

ビタミンB群は、8種類すべてが配合された「Bコンプレックス」で摂るのがお勧めです。水溶性のビタミンなので、朝摂っても夕方には尿とともに排出されてしまいます。

朝夕の食事の時に補給しましょう。

プロテイン(タンパク質)

【効能】

タンパク質の英語「プロテイン」は、ギリシア語の「第一の」という言葉が語源です。文字通りタンパク質は、人間の体を構成する、筋肉、骨、血液、爪、髪、皮膚、酵素、臓器などすべての細胞のもとです。

タンパク質が不足すると、体力なくなったり、脳の活動が鈍くなって記憶力や思考力が低下する、うつ病や神経症になりやすいなどの障害が出てきます。

タンパク質は、肉、魚、豆類、穀物などに多く含まれます。食事で摂ったタンパク質は、消化されて最小単位のアミノ酸に分解され、必要な場所でそれぞれの働きをします。

アミノ酸は全部で20種類あり、そのうちの8種類は体内では合成できない必須のアミノ酸です。

アミノ酸の組み合わせは、食品によって違いがあり、体内での働きも違います。

食品に含まれるアミノ酸を評価するのがアミノ酸スコアです。

アミノ酸スコアが高いほど利用効率が良い食品といえます。

【摂取方法】

サプリメントは粉末のものが多く、牛乳などに混ぜて摂るのが一般的です。

1日の摂取量のめやすは、体重(㎏)の10分の1gですが、子供と高齢者は多めに摂ります。

ファイバー(食物繊維)

【効能】

ファイバーは、以前は食物のカスとして扱われ、役に立たないものとされていました。

しかし現在では不足するとさまざまな生活習慣病を引き起こす、大切な機能をもった栄養素として評価されるようになっています。

ファイバーは、体内の有害物質を排出したり、カロリーの摂り過ぎを防ぐ、コレステロールや糖の吸収を解消するなどの働きをします。

その結果、肥満や糖尿病、高脂血症、動脈硬化、大腸がんなどを予防します。

ファイバーには、水に溶けない不溶性と水にとける水溶性の2種類があります。

【ファイバーを多く含む食べ物】

玄米などの加工されていない穀物、野菜類、豆類、根菜類、キノコ類、くだもの、海藻類、おから、きなこ、エビやカニの殻などです。

昔の日本人の食生活では、ファイバーは十分に摂れていましたが、欧米食や外食、丼物などの一品料理では不足しがちです。意識して補うようにしましょう。

【摂取方法】

サプリメントで補給する量の目標は1日4~9グラムです。

摂りすぎるとミネラル不足になるので要注意です。

粒のものやドリンクなど多様なので、自分にあったものを選びましょう。

カルシウム(骨や歯を丈夫にする)

【効能】

カルシウムは、骨や歯をつくるほか、精神を暗転させてイライラを鎮めたり、心臓の鼓動を規則的に保つ、筋肉をスムーズに収縮させる、血液を弱アルカリ性に保つなどの働きのあるミネラルです。

カルシウムは、日本人のへ平均的な摂取量が、過去20年以上の間、必要最低限の所要量の600mgを満たしたことがない、唯一のミネラルです。

カルシウム不足が続くと、歯や骨がもろくなったり、骨の質が悪くなることから腰痛や肩こりもおこります。

血行や血液に影響が出ると、高血圧や動脈硬化の原因になります。

だるい、怒りっぽいといった神経症状も出てきます。

【カルシウムを多く含む食べ物】

チーズ、ヨーグルト、牛乳などの乳製品、ブロッコリー、いわしやわかさぎなどに多く含まれます。

【摂取方法】

サプリメントで摂る時は、カルシウムの働きを助けるマグネシウムや、吸収をよくするビタミンⅮと一緒に摂るとよいでしょう。

ひとつのサプリメントに合わせて配合されているものなら、摂取バランスの面でも安心して摂ることができます。

鉄(貧血予防_

【効能】

鉄は、血液中で赤血球のヘモグロビンの成分になって、酸素を運ぶ働きをするミネラルです。

肌の血行をよくしたり、疲労を防ぐ、体温を保つなどの働きもあります。

吸収率が低いため、欠乏しやすく、不足すると、貧血や顔色が悪くなる。体が冷える、肩こりなどの症状が現れます。

【鉄を多く含む食べ物】

レバー、しじみやあさり、ひじき、うなぎ、ごま、かぼちゃ、にんじん、小松菜、トマトなどです。

【摂取方法】

コーヒーや緑茶、紅茶をたくさん飲むと、鉄は欠乏しやすくなります。

サプリメントでは、単体でプラスするのが効果的ですが、摂りすぎると過剰症になるおそれがあります。

ベースサプリメントのマルチミネラルなどに含まれているときは、配合されている量を確認しましょう。

1日の摂取量も目安は10mgで、40mgを超えると過剰摂取です。

ビタミンCと合わせると吸収率はアップしますが、お茶やファイバーと一緒だと吸収が悪くなります。

EPA &DHA(生活習慣病改善)

【効能】

ほとんどの現代病を予防または改善する効果があるといわれているのがEPAとDHAです。

その効果は次のようなものです。

脳細胞の働きを活発にする。悪玉コレステロールや中性脂肪を減らし、動脈硬化や血栓ができるのを防ぐ、血圧を下げる。がんの予防、アレルギーや関節炎による炎症をおさえるなどの効果があります。

これらの働きによって、記憶力や学習能力があがったり、痴呆症の予防、脳梗塞や心筋梗塞の予防、高脂血症や高血圧の改善などが期待されます。

不足すると、アレルギー症状や炎症をおこしやすくなったり、腫瘍に対する抵抗力が弱まります。

【EPA&DHAを多く含む食べ物】

食べものではアブラにのった魚に多く、とくにサバやいわし、さんま、かつおなどのの青背の魚から摂ることができます。

【摂取方法】

サプリメントで摂る時は、毎食後に摂るか、魚のおかずがない食事のときに補う方法がおすすめです。

レシチン(脳の働く)

【効能】

レシチンは、人間の細胞のひとつの細胞膜に使われている栄養素で、肝臓や脳神経、血液の代謝にも関わっています。

レシチンには、最近までコリント呼ばれてビタミンB群に分類されていた物質が入っています。

この物質には、脳や神経の働きを活発にする効果があるため、レシチンは「健脳食」といわれ、受験生や頭を使う仕事の人や、認知症予防にも欠かせません。

また、コレステロールや中性脂肪の代謝をよくする働きもあって、高脂血症や脂肪肝、動脈硬化の予防、肥満の防止や改善にも有功です。

体の組織の老化を防ぐ、抗酸化作用もあります。

【レシチンを多く含む食べ物】

レシチンが多い食品は、大豆や豚のレバーなどです。卵黄にも含まれますが、コレステロールが多いので、大豆製品がおすすめです。大豆にはレシチン以外にも、コレステロールを退化させる成分のタンパク質や、大豆サポニンが含まれるので、より大きな効果が期待できます。

【摂取方法】

サプリメントは、食事のたびに摂るか、大豆製品を食べなかった時に補う形で摂るのが良いでしょう。