生物はすべて細胞からできている

私たちの体の60%は水分でできており、水分が命の源ですが、こんなたくさんの水分は、体のいったいどこにあるのでしょうか?

実は、だいたい3分の2が細胞の中、残りが細胞の外にあるんです。

さらに、細胞の基本の単位は細胞であり、すべての細胞は細胞から生まれます。つまり、たった1個の細胞から体はつくられているのです。

このページでは、そんな細胞の驚くべき世界をご紹介しております。

地球上の生命はすべて細胞でできている!

私たちが生きている地球はてくさんの生命に満ち溢れています。その種類は200万種類を超えるとされています。それに加えて、最近では深海底や地底の生物を調べる技術も発展したため、私たちが知っている地球の生物は、全体のごく一部でしかないことがわかってきました。

これまで生物が生存できないとされていた過酷な環境からも次々に新種の生物が発見され続けています。そんなことから地球には1000万種類を超える生物が生息していると唱える学者もいます。

そんなとんでもない種類豊かな地球の生物ですが、その由来は共通の先祖から進化したというのが通説です。単細胞のバクテリアから巨大なシロナガスクジラまで、人間を含めてすべての生物が、同じ構造、同じ使用方法の遺伝子を自分の設計図として使用しており、それを次の盛大に引き継ぐことによって自分達の生命を次の世代に伝えてているからです。

また、遺伝子の情報からタンパク質を作り出し、タンパク質が働くことによってエネルギーや新たな体内成分をつくりだしている点や、タンパク質の基本的な構造もすべての生物に共通していること等も根拠として挙げられます。

さらに、生物の全てが細胞というユニットを持っているもの共通しています。バクテリアは1個の細胞だkでできた生物であり、人間は約200種類60兆個の細胞が集まってできた生物です。確かに人間の細胞と細菌の細胞ではその構造が大きく異なりますが、それは進化の過程が異なるだけであり、人間の場合は機能を細胞に分散することによって高度な機能を作り出すという進化の道を選んだだけのことなんです。

細胞はどのようにして発見されたのか?

そんな生命の単位である細胞がどのように発見されたのか、まずは、その歴史を見て行きましょう!!

最初に細胞を発見したのは、イギリスの物理学者であったロバート・フック(RobertHooke、1635~1703)です。ロンドン王立協会の実験主任であり、天文学者でもある彼は、1665年のある日、コルクがなぜ水に浮くのかを調べるため、顕微鏡を使ってコルクの断面を調べていました。すると、その中に無数の小箱のような隙間を見つけました。

彼はコルクが空気で満たされた小さな部屋なものがたくさん集まってできていると考え、この構造によってコルクは軽く、弾力性があることを理解したのです。彼はこの小部屋をCell(セル=小部屋)と名付けました。

フックはさらに観察方法を工夫して、原料のコルク樫は1立方インチあたり約12億6000万個の細胞が集まっていると結論つけました。フックはコルク樫以外の植物も細胞から成り立っているのだろうかということに興味を持ち、さまざまな植物を観察しました。

そして、あらゆる植物は細胞が集まってできていることを発見し、細胞は植物にとって血管のような栄養分の通り道であると推定しました。この空いては謝っていて、実際には道管など栄養部の通り道も細胞が集まって形成されていることがわかるのですが、フックの業績は生物学の歴史においてもっとも重要な発見の1つとして、彼のつけたCellの名称は現在も用いられています。

そして・・・この時、フックが見た物は、死んだ植物細胞の細胞壁に囲まれてできた空間が、単なる隙間ではなく生命の基本単位だとわかったのは、フックの発見からずっと後の19世紀に入ってからのこでした。

「生物の構造と機能の基本単位は細胞である」と最初に唱えたのは、ドイツの生物学者マディアス・ヤコブ・シュライデン(MatthlasJakobSchlelden、1804~1881)とテオドール・シュワン(TheodorSchwann、1810~1882)でした。1838年、植物の発生過程を研究していたシュライデンがまず「植物の基本単位は細胞である」と発表しました。翌年、シュワンがシュライデン説は動物にも当てはまることを確認しました。

この二人のが生物学者により、細胞は生物体の構造と機能の基本単位であるとする細胞説が生み出されたのです。

今では、1個の細胞が分裂を繰り返しながら増殖し、その集合体が固体を作り出しているという考え方は、高校の教科書にも載っている基本中の基本です。

さらに、シュライデンとシュワンが発見したこの理論を世界に広めたのは、ドイツの医学者ルドルフ。ルートヴィヒ・カールヒョウ(RudolfLudwigKarlVirchow、1821~1902)です。ウィルヒョウは「すべての細胞は細胞から生まれる」という有名な言葉を残しました。

細胞の種類

単細胞生物と多細胞生物

1個の細胞で1匹の生物になっている場合は単細胞生物と呼び、複数の細胞が集まって1匹の生物になっている場合を多細胞生物といいます。

単細胞生物

単細胞生物で良く知られているものにゾウリムシ、アメーバ、ツリガネムシ、ラッパムシなどがありますが、体の構造がとても簡単そうにみえますよね。ところが脂肪という視点で見ると、人間ならば複数んオ細胞で分担している運動のしくみいや食べ物を食べる機能、それを消化している栄養分を吸収する機能、老廃物を排出する機能などが1個の細胞の中に備わっていますので、単細胞生物の細胞は、非常に多機能な細胞だといえるのです。

原生動物には、一見ありそうにない、餌のバクテリアなどを食べるたmの口まであります。食べたものは人間の小腸に相当する食胞という場所で消化吸収され、老廃物は大腸に相当する収縮胞に蓄えられた後に排出されます。

多細胞生物は、動物と植物に分けられますが、単細胞生物も動物と植物に分けることができます。細胞の中に葉緑体をもっているケイ藻類クロレラ、ミカヅキモ、ツヅミモなどは単細胞植物に分類され、太陽光で活発に光合成します。地球が酸素豊富な惑星になったのは、これらの単細胞植物の活動によるものだと考えられています。

また、人間ほど複雑ではない多細胞生物として、アオミドロのように、同じ機能を持つ同じ形、同じ大きさの細胞が集まって群体をつくっている生物や、ボルボックスのように運動用のの細胞と子孫を残すための細胞の最低限の2種類の細胞が集合して多細胞生物のようにふるまっている生物もいるんです。

多細胞生物

一方、肉眼で普通に見えるなじみのある動植物の多くは、多細胞生物です。

地球上の生物の共通の先祖から動物も植物も進化しましたが、その後の進化の過程で、植物は土に根を下ろし太陽エネルギーを利用して生きていくように進化しました。

また、動物はみずから動き回りながら植物や動物を食べて体内でエネルギーに変換して生きて行くように進化しました。

その結果、それぞれの生活環境に最適化した構造の違いが顕著となり、比較すると面白い工夫があることがわかっています。

人間の体を構成する細胞の種類

私たちの体を構成する細胞はおよそ200種類あります。小さなものは直径10㎛(マイクロメートル)から、大きなもので直径200㎛(0.2mm)と、大きさも形も様々です。

けれど、基本構造は同じであり、どれも遺伝子を持った細胞質細胞膜からできています。

ただし、赤血球の細胞は例外で、核を持っていません。もともと核がないわけではなく、脱核といって、細胞が成熟していく過程で核を失ってしまうのです。

なぜ核を失ったのかというと小さくなるためです。

同じ体積でも小さくてたくさんある方が大きい赤血球より表面積が増えて、たくさんの酸素を運べるからです。さらに、小さいと毛細血管の中も通れるからです。

精子細胞は、先端に核を含み、後ろには運動するための鞭毛(べんもう)がついています。運動機能を持った珍しい細胞です。

平滑筋細胞は、左右の端が尖って細く伸びた格好で、いかにも伸び縮みしやすそうな構造になっています。

貯蔵庫のような働きをする脂肪細胞は、核が端のほうにおいやられ窮屈そうな構造になっています。

細胞の中身(平面・立体)

細胞の内部には、核と細胞質があり、それらは細胞膜(形質膜)で覆われています。

核は核膜でおおわれ、細胞の遺伝子情報の伝達、タンパク質の合成などを抑制します。

細胞質には、リポソーム、ゴルジ体、ミトコンドリア、リソソーム(ライソゾーム)、小胞体(リボソームが膜表面に付着する相面小胞体と、リポソームが付着していない滑面小胞体がある)、中心体などの細胞小器官もあります。

細胞はタンパク質を作り出す工場

細胞は、巨大な工業地帯みたいに、さまざまな工場を持っています。たとえばエネルギーを作り出す発電所、それを使って体の材料を作り出す工場、さらには、製造過程で出てきたゴミを処分する焼却炉まであります。細胞の役割を一言で言うと、タンパク質の製造工場になります。

染色体23組の46本

二重膜で大切なDNAを守っている

必要に応じてRNAを出す

ミトコンドリア

エネルギー源の合成場所(発電所)

ATP(アデノシン三リン酸)を合成する

内外二重の膜に囲まれクリステと呼ばれるヒダがついている

小胞体

細胞工場、物質の輸送、貯蔵の場所。リボソームはタンパク質の合成場所

表面にリボソームが付着している

リボソームが核の指示を受けてタンパク質を作る

ゴルジ体

梱包発送の場所(タンパク質を送り出す)

小胞体の作ったタンパク質を包んで細胞外に分泌する

リソソーム

ゴミ(異物、不要物)の処理の場所(焼却炉)

ミトコンドリアについて知ろう

ミトコンドリアって、一度は耳にしたことがある言葉だと思いますが、「体にとって重要な働きをしているものなんだなろうな」という程度で、その詳しい役割等については、理解していない方も多いのではないでしょうか?

「ミトコンドリアが健康にどれだけ関係があるのか?」「ミトコンドリアを活性化させる食べ物や生活習慣はあるんだろうか?」といったことは、結構、気になるところですよね。

そんな、よくわからない「ミトコンドリア」について、ここでは、基本的なことをご紹介してきたいと思います。

ミトコンドリアって何?

ミトコンドリアとは、細胞の中になる発電所のようなものです。健康の維持や病気の発生に深く関わっています。

私たちの体は、約37兆個とも言われる膨大な数の細胞からできています。これらの細胞が活動するための95%のエネルギーを作りだしてくれているのがミトコンドリアです。このミトコンドリアが働いてくれることで、すべての細胞は、それぞれの役割を果たすことができているのです。

生きるためにあらゆる動物が有している、大変重要な細胞小器官であり、私たちが元気でいられるのはミトコンドリアのおかげだとも言えます。

ミトコンドリアはどれくらいあるの?

ミトコンドリアの重さは、体重の約10%ほどで、50㎏の方であれば5㎏はミトコンドリアということになります。とくに代謝が活発な心臓、肝臓、腎臓、筋肉、脳には多くのミトコンドリアが存在しています。その数、およそ数京個(京:数の痰飲。兆の1万倍。10の16乗)と言われています。

人間が活動できるのはミトコンドリアのおかげ

ミトコンドリアは、私たちが食事をして摂った「栄養素」、呼吸をして取り込んだ「酸素」、この2つを使って、生命維持に必要なエネルギーの供給源を作ります。

この供給源をATP(アデノシン三リン酸)と呼びます。ATPはエネルギーと交換できるお金のようなもので「エネルギー通貨」と呼ばれることもあります。必要であるはずのATPは、私達の体内ではわずかにしか存在できなため、常に作り続ける必要があります。

なんと、1日に作られるATPは、その人の体重に相当する量になると言われています。

ミトコンドリアを活性させるにはどうしたらいいの?

では、この体にとって非常に重要なミトコンドリアを活性化させる方法についてご紹介したいと思います。

過度のカロリー摂取を控える

ミトコンドリアは食事から摂った栄養をエネルギー(ATP)に変えますが、このATPが体内に過剰になりすぎると「活性酸素」という物質が発生してしまいます。この活性酸素は、以下のような多くの不調や病気の原因になると言われています。

体の不調はミトコンドリアの不調であり、その対策としては食べ過ぎないことが大前提です。とくに、質の悪い油、果糖、重金属(水銀や環境毒素)はミトコンドリア機能に障害が出る原因になります。

そして、日中に比べて活動が減り、ATPの消費が少なくなる寝る前は食事やアルコールは控えるようにしましょう。

適度な運動をする

ミトコンドリアがエネルギー(ATP)の産生において特に必要とする栄養素と、それを含む食品は次のとおりです。

これらに多く含まれますが、どれかに偏るのではなく、さまざまな肉、魚介類、乳製品、豆類などをバランス良く食べることを忘れないようにしましょう。

ミトコンドリアの働きを阻害するものとは?

ミトコンドリアの働きに障害が出ると言われているものには、次のようなものがあります。

トランス脂肪酸

活性酸素が抗酸化防御機構を上回ってしまうことを「酸化ストレス」と呼びますが、トランス脂肪酸の摂取がこの障害と関係していると言われています。工業植物油などは避け、エクストラバージンオリーブオイルやココナッツオイルなどの質の良いアブラを選びましょう。

終末糖化産物(AGE)

終末糖化産物とは、タンパク質に余分な糖がこびりつきタンパク質が糖化した物質(AGE)のことです。これは、老化を促進させ病気の元凶となる非常に厄介な物質です。甘いお菓子やアイスクリーム、加工されたゼリーなどがお好きな方は、頻度に気をつけて食べるようにしましょう。

たばこの煙

ミトコンドリアの毒として認識されている「シアン化合物」と「一酸化炭素」が、たばこの煙には両方含まれています。喫煙は「百害あって一利なし」なので、なるべく禁煙してほしいと思います。

参考 https://www.kango-roo.com/learning/1558/