遠赤外線療法って何?
遠赤外線は赤外線の一種になり、赤外線の中でも一番長い波長を持っています。なので電波に近い性質を持っているのです。基本的には物体から放出されており、温度が高くなればなるほど放射量も多くなります。サーモグラフィーは遠赤外線を使って撮影を行っているため、医療の現場でも遠赤外線は大きな役割を担っています。
そのそも赤外線とは何なのでしょうか?
光をプリズムガラスに当てると、7色の光が見えるのは皆さんご存知だと思います。
下の図のように、紫が一番波長が短く、赤が一番波長が長いのですが、紫色より波長が短いのを紫外線、赤色より波長が長いのを赤外線と言うのです。
遠赤外線はさらに詳しく説明しますと、これらの紫外線や可視光線と一緒で電磁波の一種になりますが、特に3μm~1000μmの波長領域にあるものを遠赤外線と呼びます。
水やプラスチック、塗料、食品などは、吸収波長領域が2μm~20μm波長の間にあるものが多いため、遠赤外線はこれらに熱を良く伝え浸透させるという性質を持っています。
実は・・・遠赤外線が発生する波長(周波数)と、人の分子の振動(格子振動)波長は一致します。
赤外線の種類は3種類
遠赤外線ですが、上の図のように波長の種類によって3種類に分けられます。
- 近赤外線……0.7~2.5μmの赤外線。携帯電話の赤外線通信や家電のリモコンなどに使用される。
- 中赤外線……2.5~3μmの赤外線。近赤外線と遠赤外線、両方の特性を持っている
- 遠赤外線……3~1,000μmの赤外線。最も暖房効果が高い。
身体に良い育成光線
遠赤外線のなかでも、もっとも身体に良いと言われているのが「育成光線」です。
育成光線は、遠赤外線のうち8~14μmのかぎられた波長帯を指します。
育成光線は、水の分子の振動波長に近似していると言われており、水と共振共鳴作用を起こしやすく、動植物の深部まで伝わることで、成長を促す効果まであるとされています。
基本的な遠赤外線のメリットは、育成光線によるものと考えられています
遠赤外線は電磁波の一種
電磁波は、波長の長いものから電波・赤外線・可視光線・紫外線に分類されています。電磁波というと、健康に害のあるイメージを持つかもしれませんが、遠赤外線に害はありません。
なぜならば、私達は常に遠赤外線に囲まれて生活しているためです。遠赤外線はすべての物質から放射されていますが、そのなかで普通に生活できているのは、害を及ばさないためと言えます。
もちろん遠赤外線を利用した暖房機器、ヒーターなどに直接触れれば火傷をする可能性はありますが、これは遠赤外線そのものが害を及ぼしているわけではありません。
遠赤外線の身体に対するメリット
遠赤外線は、身体に対していくつものメリットを期待できます。なぜなら、人間の身体がもつ水分子の細胞を共振させ、内部に素早く熱を伝えるためです。さらに光に比べて、
*人の分子を活性化させ(エネルギー分子の運動が活発になるため細胞の活動も活発になります)
*体感温度を上げます
といった効果があります。そんなことから、
- 健康・美容
- 加温効果
の2つの効果が期待できるのです。
けれど、健康・美容効果に働きかけるのは、主に「育成光線」です。そのため、遠赤外線の出ているものならば、どれでも効果が出るというわけではないので、その点を踏まえて遠赤外線の効能についてご紹介していきます。
健康・美容効果
健康・美容効果については、主に血液に関係します。人体には多くの水分子が存在し、通常は水分子同士がくっつき、大きくなろうとします。しかし、育成光線の共鳴作用は、分子同士がくっつくのを阻害するため、分子が小さいままいられるのです。そのため、血流やリンパの流れが良くなり、以下の効果を感じらることが可能となります。
- 血液循環の促進
- 老廃物が排せつしやすくなる
- 代謝が良くなる
よく「遠赤外線を浴びると健康になる」と言われていますが、正確には「遠赤外線を浴びて血流が良くなって健康になる」ということになります。
加温効果
遠赤外線の効果で離れたところから受け取ることのできる熱を「輻射熱」と言います。太陽を温かいと感じるのは、輻射熱の効果です。輻射熱で身体を温めると、身体の内部まで温まったり、一度温まると冷えにくいといった特徴があります。
暖房機器でたとえるならば、エアコンやストープのように「熱い」と感じたり、電源を切ってすぐに寒くなってしまうことがありません。輻射熱は、人にとって自然に近い心地よい温度で温め、電源を切ってもしばらくの間熱が残ります。
加温効果
遠赤外線の効果で離れたところから受け取ることのできる熱を「輻射熱」と言います。太陽を温かいと感じるのは、輻射熱の効果です。輻射熱で身体を温めると、身体の内部まで温まったり、一度温まると冷えにくいといった特徴があります。
暖房機器でたとえるならば、エアコンやストープのように「熱い」と感じたり、電源を切ってすぐに寒くなってしまうことがありません。輻射熱は、人にとって自然に近い心地よい温度で温め、電源を切ってもしばらくの間熱が残ります。
遠赤外線暖房は、当たっている部分だけ温まるのではなく、身体全体を温めてくれます。
たとえば、ガスファンヒーターをイメージしてください。ガスファンヒーターは、基本的に温風が当たっている場所しか温まりません。
一方で、パネルヒーターや床暖房は、触れている部分だけではなく、身体全体まで温めてくれます。身体の一部分だけでなく、全体を温められるのは、輻射熱を利用した暖房機器の大きなメリットと言えるでしょう。
近赤外線療法って何?
最近、「近赤外線治療」という言葉を良く耳にするようになりましたが、「遠赤外線療法」と「近遠赤外線療法」とは何が違うのでしょうか?
赤外線には近赤外線・中赤外線・遠赤外線の3つがありことは前段の説明でわかっていただいたと思いますが、それぞれ何らかの物に当たると一部が吸収され、温度の上昇が見られます。
遠赤外線も近赤外線も目に見えない不可視光線になりますが、「遠赤外線」は、赤外線の中では一番長い波長を持っており電磁波に近いものになります。
反対に、「近赤外線」は不可視光線でも電磁波とは反対側の赤に近い波長を持っているのが特徴です。
具体的にそれぞれの用途を挙げると、
◎ 遠赤外線~遠赤外線の暖房は赤外線がもたらす働きによって室内を温める効果があります
◎ 近赤外線~赤外線通信は近赤外線を使った通信方法であり、テレビやエアコンなどの電化製品は近赤外線の反射を利用しています。
電化製品の操作、暖房器具、調理器具など、赤外線は生活に関わる様々な用途に使われており、今ではとても身近な存在になtぅていますよね。ただ、赤外線はメリットばかりではなく、人間の体にもたらす影響についても理解しておく必要があるのです。
赤外線が体に及ぼす影響
赤外線は様々なものに使われていますが、中には人間の体に健康被害をもたらす例もあります。その中で最も多いのが、「赤外線を利用した暖房器具による火傷」です。
実際に赤外線の暖房器具を使用して火傷をした方はおられるのではないでしょうか?
赤外線は、物に浸透して温度が上昇するという特徴があるため、暖房器具自体は熱く感じなくても、直に触れてしまえば火傷をしてしまう可能性があるのです。
また、肌に密着できるほどの暖房器具であっても、低温火傷を引き起こす例が多くあげられています。低温火傷は、長時間発熱しているものが肌に密着することで起こります。高温だと肌に触れる時間も短いため、大きな火傷を負いにくですが、低温の場合だと長時間密着することとなるため、ひどいやけどを負ってしまうリスクが高くなってしまいます。
火傷以外にも、赤外線は人間の目にも影響を与えると言われています。すぐに影響が出るわけではありませんが、長時間赤外線を見続けていることで白内障の発生率が上がると言われているのです。
なので、赤外線を使用した暖房器具などを使用する場合は、火傷や目の影響をに注意することが大切です。
近赤外線が注目されている理由
体に悪影響を与える可能性があると聞くと、赤外線を利用するのは止めようと思われるかもしれませんが、やはりデメリットよりもメリットの方が大きいため、注意しながら使用すれば私達に大きな効果をもたらしてくれるのは間違いありません。
そんな中でも、今注目されているのが近赤外線です。近赤外線は健康面や美容において効果があるとして近年とても注目されているのです。
近赤外線を利用した治療器具は、血行を促進させたり、細胞を活性化させたりする効果があることがわかってきており、近赤外線を使用した医療や美容器具などの開発が進んでいます。
そんな近赤外線の具体的な効果は次のとおりです。
血行促進効果
近赤外線には、体の内側まで浸透するという特徴があるため、硬くなってしまった筋肉をほぐしてくれることが期待できます。
そのため、筋肉がしっかりと動くようになることで血行も良くなるのです。
筋肉がほぐれて緩んでいくと、関節の痛みなどが軽減するという効果も期待できることから、高齢者の方にもおすすめだといえます。
さらにそれだけでなく、肩こりや腰痛にも効果を発揮してくれるので、慢性的な体のコリや痛みに悩まされている方にとっても、近赤外線治療は魅力を感じていただける治療だといえます。
細胞の活性化
近赤外線を利用した健康器具は、実際に医療業界で活用されており、細胞が活性化してガンが治ったという報告もあります。特に、近赤外線は癌細胞を直接破壊できる点で注目されており、今後は医療分野での大きな活躍が期待されているのです。
赤外線は身体の内部に浸透しますが、近赤外線は他の赤外線よりも波長が長いため、癌細胞に直接アプローチすることができるという特徴があります。
そんなことから、筋・腱などの組織を温めて伸張性を高める働きがあり、筋肉をスムーズに動かしやすくなったり硬くなった組織を柔らかくする効果があるのです。
近赤外線治療は、鎮痛や皮膚損傷などの治療促進効果なども報告されており、理学療法の分野でも無痛・簡便さによって安全に使われるようになってきました。理学療法で使われている低出力レーザー治療器は、今後重要な治療法として浸透していくことが予想されます。(近赤外線を様々な治療に使うにはまだまだ研究が必要といわれています)