あなたの腸、リーキーガットになっていませんか?

みなさんは、「リーキーガット」という言葉を聞かれたことはありますでしょうか?

リーキーガットの意味は「漏れる腸」ということなのですが、腸の細胞に隙間ができて、その隙間から細菌や老廃物・食物成分が侵入する状態のことをいい、隙間から漏れ出た毒素や消化されていない食物などが、血液の流れに乗って、免疫系を刺激して、免疫細胞が反応し炎症を起こすのです。

このことにより、様々な体の不調が現れています。

身体がだるい・・・

疲れが取れない・・

食後、異常におなかが張る、ガスが溜まる

食べても食べてもお腹が空く

すぐに甘いものがほしくなり、パンや甘いものばかりを食べている

酔っぱらっているみたいに体がふわふわする

食後に異常な眠気が起こる

頭がボーっとして集中力できない

さらに・・・・

便秘、下痢、腹痛、頭痛、関節痛、肛門や陰部のかゆみ、生理前の不調、記憶力の低下

といったような症状はありませんか?

こららの症状に悩まされていたら・・・・あなたの腸はリーキーガットになっているかもしれないですよ?

ということで、今回は、リーキーガットについてご紹介していきたいと思います。

腸の守りが弱くなるとリーキーガットになる!

実は、腸に炎症が起こると、単なる腸だけの弊害にはとどまらず、全身的な影響が出てきます。

なぜかというと、腸のふるい(フィルター)機能が低下して、異物や不要物を通してしまうようになるからです。

腸壁の粘膜には、下の図のように「絨毛(じゅうもう)」といわれる毛のような突起物が密に生えています。これはできるだけ多くの栄養素を吸収できるように表面積を広くするためです。

下のイラストの右下の図を見ていただきたいのですが、この絨毛に敷きつめられた細胞は、お互いにしっかり結合し、一定以上の大きさのものは通さないふるい構造になっています。

腸は本来、腸とその他を隔てているものは細胞1個だけであり、腸の中の消化物や老廃物などが外に漏れないように、細胞1個1個は固く結びついている構造になっています。(イラストは正常な腸になりなります)

これが、腸の「タイトジャンクション」とい防衛機能になります。

ところが様々な原因(後で述べます)により腸壁の粘膜が破壊されると、このタイトジャンクションが緩んでしっかりと機能しなくなり、腸の細胞と細胞の間に隙間ができてしまうのです。(下のイラスト参考)

すると、この隙間から、未消化の食べ物や異物が血中に入り、アレルギー反応を起こしやすくなるのですが。これが「リーキガット症候群」と呼ばれる症状であり、リーキーは「漏れる」、ガットは「腸」という意味になります。

未消化の食べ物がちゃんとしっかりふるい分けられずに「漏れ出る」ことからついた名称になります。

上記のような物理的な漏れに加えて、IgA抗体などの免疫物質の働きが低下し、腸内細菌叢の働きも悪くなるため、病原体や毒物も血中に入りやすくなるのです。

つまりリーキガット症候群は、「腸の守り」弱くしてしまう症状なのです。

さらに、輪をかけて悪い状況として、現代は消化できない遺伝子組み換え(GMO)食品や添加物、電子レンジで変性した食品、トランス脂肪酸、消化されにくいタンパク質を含むパンや牛乳など、非常に問題のある食品が溢れかえっており、これらが大量に腸に入ってくると、さらにリーキガット症候群の症状は悪化していきます。

これらの悪い食べ物が未消化のまま腸まで運ばれると、腸の炎症が促がされるうえ、未消化の食べ物自体が緩んだ腸から吸収されやすくなって、全身に害を及ぼすのです。

なので、リーキガット症候群としっかり向き合うことは、これらの食べてはいけない悪い食べ物とも向き合い減らしていくことが大切になってくるのです。

リーキガット症候群を引き起こす原因

それでは、リーキガット症候群を引き起こす原因はなんなのでしょうか?

これには様々な原因があるので、順番に見ていきましょう。

タイトジャンクションを開くタンパク質「ゾヌリン」

メリーランド大学のファサーノ教授は、タイトジャンクションを開いて、腸粘膜細胞の間を物がすり抜けられるようにしてしまうたんぱく質を発見しました。

それが「ソヌリン」と呼ばれるものなのですが、このゾヌリンが、腸の細胞と細胞の間にかかっている「鍵」を開放してしまうため、隙間ができてしまうのです。

科学的に言い換えると、

ゾヌリンは、タイトジャンクションを調節するタンパク質であり、ゾヌリンのレベルが高いと密着結合が緩和され、腸の透過性が増加することが示されている

ということになるのです。

現在、タイトジャンクションを調整する機能を持つたんぱく質で唯一わかっているのがゾヌリンで、ゾヌリンに対して感受性の高い人が自己免疫疾患を引き起こす可能性があるそうなのです。

そして、何よりも問題なのが、グルテン(小麦の成分)の成分であるグリアジンが腸の細胞に働きかけることでゾヌリンが分泌されてしまうことです。

要するに、パンやケーキ、うどん等の小麦食品を食べていると、リーキガット症候群を引き起こす可能性が非常に高いといえるのです。

体内の他の部位に炎症がある

他の部位の炎症からくる物質が、腸の炎症をひどくすることがわかっています。

腸以外に体内の炎症があれば、そちらをしっかりと治すことも必要です。そのまま放っておくとリーキガット症候群を引き起こす可能性が出てきます。

例えば、歯周病は炎症物質を全身に向かって放出していることが知られています。

リーキガット症候群の原因が歯周病かもしれないなんて、本当に驚きですよね~!!

薬(非ステロイド系抗炎症薬)等

アスピリン、イブプロフェンなどの非ステロイド系抗炎症薬(NISAIDS)等を長期に亘って使用すると、リーキガット症候群を引き起こす可能性が確認されています。

不要な薬はなるべく使わないようにしてほしいと思います。

過剰な飲酒

過剰なアルコール摂取も、腸の細胞の隙間を開かせる可能性があると言われています。

睡眠不足

睡眠の欠如は、健康な腸内細菌の分布不良を引き起こし、リーキガット症候群を引き起こす可能性があると言われています。

免疫細胞がしっかりと闘える状態にするためには、毎日、最低6時間以上の睡眠を取る必要があると言われています。

腸内悪性細菌

腸内悪性筋と腸機能の密生な関係を示す多くのエビデンスがあります。

腸内悪性細菌(カビ)には多くの種類がありますが、お腹で増殖したとき、特に問題を起こしやすいのがカンジダ(カンジダ・アルビカンス)というカビです。

このカビは、アラビノースと呼ばれる当の一種を盛んにつくります。

アルビノースは糖の一種なので、実際に甘い味がするんですよ~。

そのため、なんと!!

砂糖に変わる甘味料としても市販され利用されているんです。

血糖値を上げないことから、ヘルシーな甘味料とうたわれることもありますが、実は体に有毒な作用を持っているのです。

特に!!お腹の細菌がこれから作られるのは、身体にとって、とっても危険な状態なんです。

このアルビノース等の腸内細菌については、別に詳しくご紹介しますが、腸内の悪性細菌は、タンパク質の構造を変性させたりするため、身体の様々な機能にトラブルが起こることになるのです。

喫煙

たばこの煙は腸内疾患の危険因子であり、消化管の炎症を増加させる可能性があります。

ストレス

慢性ストレスは善玉腸内細菌を傷つけます。

これは腸脳相関が強く関連するためです。

リーキガット症候群の治し方

リーキガット症候群が引き起こされるには、様々な要因があるとわかっていただけたと思います。

では、リーキガット症候群になってしまったら、どうすれば良いのでしょうか?

実は、リーキガット症候群は食事で治すことが可能なんですよ~!

次は、リーキガット症候群の治し方について、簡単にご紹介したいと思います。

食生活の改善(食事で治す)

リーキガット症候群を治すために一番しなければならないことは、食習慣の改善です。

今までの食習慣を見直して、良い腸内環境を作ることが不可欠です。

まず、何を食べるか?よりも、何を食べないか?ということを考えていくことが大切です。

リーキガット症候群の原因となる食物を、一時的に除去することが非常に大切なのです。

そうです。まずは、あなたの大好きな砂糖、グルテンを止めることから初めないとだめなんです。

食べ物の摂取は、腸内の微生物組織(腸内細菌等)と腸管透過性(リーキガット症候群)に影響を与えることを、常に留意しながら食生活の改善に取り組んでいきましょう!!

実は、この記事を書いているバンコクRENEスパ店長トヨも、今年年頭にリーキガット症候群になっていることがわかり、2月から食生活の改善に取り組んでおります。グルテンフリー、糖質制限、間欠的ファスティングなど、日本の医師の指導のもと正しい腸内環境改善に取り組んでいることで、3か月目の現在は、すでにかなり良い結果が出ています。

その取り組み状況を、バンコクRENEスパのブログで掲載しておりますので、是非、参考になさってくださいね。

 

サプリメントで治す

特定の栄養因子が粘膜の健康を支え、正常な腸内の浸透性を促進するのに役立つことが報告されています。

多くの研究から、リーキガット症候群は、腸の炎症、腸粘膜の酸化ストレス、脂質過酸化に関連していることがわかっています。ハーブなどの植物の抽出物などが正常な粘膜バリア機能の回復に役立つと考えらえてているのです。

効果的なサプリメントには、粘膜栄養素、消化酵素、プロバイオテクス、食物繊維 などがあります。

消化酵素

消化酵素の不足や胃腸のPHの不均衡は消化不良も引き起こし、栄養素の吸収不良、食物不耐性、食物アレルギー、自己免疫状態、細菌の過増殖、胃腸の不快感の微症や症状につながる可能性があります。

また、消化酵素はミネラルの生体利用率を高めます。

乳酸菌

プロバイオテクスは、有益な腸内微生物叢を維持、または回復させ、胃腸障害を予防し、リーキガット症候群を治療するのに役立ちます。

プロバイオテクスのサプリメントを摂取すると、腸の健康を改善することができるのか?ということについては、まだまだ研究段階だそうですが、

ラクトバシルスアシドフィルス、ロンガム等の乳酸菌を含む発酵乳を4週間飲んだ、過敏性腸症候群の患者は、飲まない人に比べて小腸の透過性が有意に低下し病状を軽減した

半年間プロバイオテクスを飲んだ子供は、飲まない子供に比べて湿疹の発生率が有意に低かった

などの研究データが出ています。

食物繊維

食物繊維は、腸粘膜の正常なバリア機能を維持するのを助けてくれています。

水溶性食物繊維は、微生物叢によって発酵され、有益なビフィズス菌を増殖させます。

不溶性食物繊維も、正常なバリア機能を維持するのに役立つことが示されています。

ビタミンC及びビタミンEで治す

リーキガット症候群を治すのに重要なのは、抗酸化物質だと言われています。

抗酸化物質は、腸粘膜細胞を酸化的損傷から保護してくれます。

300gのビタミンEで、潰瘍性大腸疾患者の結腸粘膜における炎症が減少したというデータがあり、抗酸化物質が腸粘膜の炎症等を改善するのに効果的であることが知られています。

ケルセチンで治す

ケルセチンは抗酸化、抗炎症物質を含むフラボノイド (ポリフェノールの一種)です。

アレルギー反応の原因でもあるヒスタミン放出を抑制することで、腸の炎症を抑えることができます。

TNFaなどの炎症性サイトカイン(免疫に関与する特定のタンパク質の総称)の産生を阻害することも示されています。

N-アセチル-L-システインで治す

N-アセチル-L-システインは、強力な抗酸化作用を持つグルタチオンの前駆体になり、抗酸化作用が期待できます。

実際に動物における腸管虚血再灌流実験で、N-アセチル-L-システインがリーキガット症候群を防いだという結果が出ています。

亜鉛で治す

粘膜修復に重要な栄養素もリーキガット症候群を治すためには必須です。

亜鉛は細胞の増殖に不可欠なミネラルであり、特に入れ替わりの激しい粘膜細胞では高い需要があります。

さらに、亜鉛は、胃腸の細胞保護作用を示し、肥満細胞を安定させる作用も持っています。

グルタミンで治す

L-グルタミンは、腸粘膜の細胞にとって重要なエネルギー源であり、正常な粘膜構造及び機能に必須です。

腸粘膜の免疫機構の中心を担う「免疫グロブリンA」の産生にはグルタミンが必要です。

中心の静脈栄養にグルタミンを追加すると、人間では腸の透過性亢進(リーキガット)を防ぎ、動物では腸管関連リンパ組織機能と腸管igAレベルを維持することができたという実験データがあります。

ビタミンAで治す

レチノイン酸は、腸内のラクトバシラス(善玉腸内細菌)の量を増加させ、腸の上皮細胞のバリア機能を強化することで知られています。

GLA・DHA・EPAで治す

人粘膜上皮細胞の膜リン脂質に取り込まれ、炎症性サイトカインによって引き起こされる透過性亢進(リーキガット)を阻害することで知られています。