自律神経系のトラブルに効果的な頭蓋仙骨療法(クラニオセイクラル)って知ってますか?

不眠症や片頭痛などの症状に効果がある頭蓋仙骨療法って知ってますか?

 

頭蓋仙骨療法・・・聞きなれない言葉ですよね。

クラニオセイクラルセラピー と言いかえても、多くの方は「????」状態です。

 

「頭蓋ってつくからには、ヘッドマッサージの強力なやつですか?」

と思われる方もいるのでは?

 

頭蓋仙骨療法を簡単に説明すると・・

 

5グラムタッチとよばれるごくごく軽いタッチで体に触れることで、身体の深い組織~筋膜レベルから緊張をほぐし、脳脊髄液の流れを整える手技であり、世界では「クラニオ・セイクラル・セラピー」の呼び名で通っています。

アメリカのオステオパシー医師であるサザーランド医師が開発し、同じくアメリカのアプレジャー医師などがその発展に寄与した手法です。

 

という説明になるのですが、よくわからないですよね~。

 

なぜ、頭蓋仙骨療法を取り上げるのか? といいますと、実は、この頭蓋仙骨療法は、

 

ストレスやイライラの改善、

不眠症の改善、

自律神経失調症の改善、

肩こり、

片頭痛、

眼精疲労などの改善

 

など、特に神経系の不快な症状の改善にとても効果がある療法であるため、上記のような症状で苦しんでおられる方に、「こんな効果的な療法があるんですよ~」ということを知っていただきたいからです。

 

現在、コロナ禍でテレワークが増えたため、さらに

眠れない

眼精疲労がひどい

肩がこる

偏頭痛がする

イライラする

等といった自律神経系のトラブルがとても増えています。

 

肩こりや眼精疲労等については、理学療法士や整体師が行う整体やマッサージ等の施術でかなり改善することが可能ですが、自律神経失調症や不眠症等に関してはなかなか根本的な改善とはならないのが現状です。

 

けれど・・・これらの症状にとても良く効く魔法の療法が「頭蓋仙骨療法」なのです。

この頭蓋仙骨療法について、数回にわけてシリーズで詳しく紹介していきたいと思います。

 




 

頭蓋仙骨療法の特徴とは?

 

頭蓋仙骨療法の大きな特徴は、「頭蓋骨の調整ができる」ということです。

 

頭蓋骨を調整する???

 

聞くだけで、とても怖いイメージがありますよね~。

でも、怖いどころか凄く優しいタッチで調整するので、とてもとても安全なんですよ~。

 

頭蓋仙骨療法の理論では、頭蓋骨には可動性があると考えられています。

なので、施術の前と後では、頭の形が変わられることもあるんです。

 

・・ということで、頭蓋仙骨療法の説明に入る前に、頭蓋骨のしくみについて簡単にご説明したいと思います。

 

 

頭蓋骨は脳を収める部分・顔を形成する部分です

 

頭蓋骨は大きく2つに分けられます。

 

ひとつは正面にあって顔面の形成に関わる顔面頭蓋

もうひとつは、頭蓋腔(とうがいくう)という空洞を形成する神経頭蓋(脳頭蓋)であり、その中に柔らかい脳を収めています。

頭蓋骨は、脳を守る丈夫な器です。

 

頭蓋骨は、ヘルメットのように1枚の骨でできてるのではなく、ほぼ、平たい骨がしっかり噛み合ってできています。

全部で15種類、23個の骨がパズルのように組み合わさっていて、骨と骨が結合している波線の部分を縫合線といいます。(難しい名前などは覚えなくてもいいですよ~)

 

頭蓋骨の中で唯一動くのが顎の関節です。

耳のすぐ前あたりにあり、上下左右自由に動き、食べ物を咀嚼(そしゃく)したり、話したりする時に動きます。

 

咀嚼して物を食べるのは哺乳類だけです。

さらに、人間は、ほかの動物に比べて脳が大きく発達していて、脳を収める頭蓋骨も大きいという特徴があります。

 

 

 

実は・・・・呼吸している頭蓋骨

 

上記の頭蓋骨のイラストなどは、みなさんも何回か見たことがあると思いますので、頭蓋骨の構造については、なんとなくイメージをつかんではもらえるのではないかと思います。

 

さてさて・・・この頭蓋骨、動いている、呼吸しているって知ってますか?

 

蓋骨が動くなんてありえない~

ましてや呼吸?何を馬鹿な事を言っているか?

 

と思われるかもしれませんが、頭蓋骨が動いていることは、オステパシ―療法やカイロプラクティック療法等の手技療法従事者の間では、世界的な常識なのです。

 

骨が動くと言っても、腕や脚が動くような動きではありません。

小さな不随的動きです。

 

あ~びっくりした~ですよね。

私も、最初頭蓋骨が動くと聞いて、手足の動きのような大きな動きを想像してしまい、信じられないと思いましたが、この動きは科学的な実験でも証明されているそうです。

 

さて、では不随的に動くとはどういう動きなのでしょうか?

 

とても小さな動きなので、目で確認することはできません。

 

この動きを見分けられるのは専門の訓練をしたものだけだそうで、膨らんだり縮んだりといった小さな動きを繰り返すそうです。

通常、1分間に10回前後、膨らんだり縮んだりしているそうです。

 

この動きのことを

第1次呼吸メカニズム(システム)

と呼びます。

 

えっ、どうして第1次呼吸なの?

と疑問に感じた方は流石です!!

 

私達が、通常行う肺呼吸が第1次呼吸なんじゃないの?

と思いますよね。

 

ところが、肺呼吸は第2次呼吸 になるのです。

 

実は、肺呼吸というのはオギャーと生まれた、出産後から行われます。

赤ちゃんは母体外に出た時に、必ず産声をあげますよね。

そして、産声を上げた瞬間に肺呼吸が始まります。

 

生まれた瞬間にオギャーと産声をあげない赤ちゃんを、お医者様が逆さまにしてお尻をぺんぺん叩いて産声を上げさせている光景を、出産シーンを取り扱ったテレビなどで見たことはありませんか?

 

なぜ、さかさまにしてお尻を叩くのかというと?

産声をあげないと肺呼吸が始まらないため大変なことになっちゃうから、お医者様がお尻を叩いて自発肺呼吸を促している行為なんです。

 

 

赤ちゃんはお母さんのお腹の中にいる時と外に出たときとで呼吸する場所が違う

 

もう少し詳しく説明していきますね。

 

お母さんの子宮内で、赤ちゃんは臍の緒の静脈を通じて、お母さんの動脈中の酸素を受けています。

この臍の緒の静脈のことを「赤ちゃんの木」とか「赤ちゃんの森」と言うのだそうです。

 

赤ちゃんは、この赤ちゃんの木から酸素や栄養素を受けると、炭酸ガスや老廃物を含んだ動脈血を再びお母さんの静脈血中に戻しています。

なので、肺によるガス交換が行われていないのです。

 

ところが、赤ちゃんが母体外に出た瞬間、母体から酸素供給が受けられなくなります。

 

すると、赤ちゃんの血液内に炭酸ガスがたまり、これが呼吸中枢を刺激して、一番最初の吸気が起こり、続いて呼気が起こるのです。

 

実は、この呼気が赤ちゃんの「オギャー」という産声になるんです。

オギャーと言う大きな産声によって、肺の中に空気が入り込み、肺は一気にふくらみます。

同時に肺の中を流れる血液も急に増加して肺呼吸がはじまるんですよ。

 

なので、産声を上げないということは、仮死状態の兆候であり、そのままだと酸欠状態になって脳損傷の危険性が出てしまうわけなんです。

 

そんなことから、肺呼吸は、第1次呼吸ではなくて、第2次呼吸になるということ・・・

わかっていただけましたでしょうか?

 

専門的な用語でいうと

頭蓋骨の動きを第1次呼吸メカニズム(システム)

肺呼吸の動きを第2次呼吸メカニズム(システム)

と言います。

 

第1次呼吸は、赤ちゃんがお母さんのお腹の中で初めて行う生命活動(呼吸)です。

これが、頭蓋骨の動きなんです。

 

赤ちゃんはお母さんのお腹の中で、頭蓋骨を膨らませたり縮めたりしながら呼吸をしています。

驚きですよね~。

 

頭蓋骨で呼吸をしているなんて、想像するだけで、神秘的ですよね~。

 

この第1次呼吸は、肺呼吸とは連動しているわけではなく、肺呼吸に左右されることなく独自のリズムで行われています。

 

でも、連動はしていないけれど影響はしあっていて、第1呼吸(頭蓋骨の呼吸)が乱れると・・・自律神経の乱れを招くことになるため、第2次呼吸(肺呼吸)にも障害がでてきます。

 

第2次呼吸(肺呼吸)に障害が出ると、様々な不調が出てくるのは、なんとなく想像ができますよね。

 

では・・・

第1次呼吸(頭蓋骨の呼吸)が乱れるとはどういうことか?

が、この頭蓋仙骨療法のキーワードになってきます。

 

頭蓋骨が緩んだり縮んだりするこの第1次呼吸ですが、

肺呼吸が始まれば、もう必要ないじゃん!!

と思いますよね。

 

でも、肺呼吸が始まっても、この第1次呼吸が止まるわけではないのです。

なぜなら、とてても重要な役割を持っているからです。

 

それはなにかといいますと、

頭蓋骨は脳を保護するという役割の他に、もう1つ非常に重要な役割として

「脳で作られた脳脊髄液を循環させる」

という役割があるのです。

 

「脳精髄液」・・・?

また、1つ難しい新し名前が出てきましたね~。

 

この脳脊髄液の流れが乱れると、身体に様々な不調が起こってきます。

ということで、次回は脳脊髄液の役割についてお話していきたいと思います。