人の健康を左右する免疫力について知ろう(免疫細胞の2つの種類)

さて先日、当サイトにおいて、ボランティアで子育てセミナーをされている元保育士のマサヨさんが、「子供の体調が悪くなったときにお母さんがしてあげられる3つのこと」について紹介してくださいました。

 

そのコラムの中では、

鼻水・微熱・咳が少しでもでると、すぐに病院へ行き薬を服用させる方が多いですが、これは危険な行為かもしれません。

何故なら、この世に風邪を治癒する薬は存在しないからです。

風邪は薬を服用すれば治ると思っていた方は、認識をしっかり変えてください。
人間は獲得免疫と自然免疫というふたつの免疫システムで体を守っています。

通常のよく聞くような病気・風邪をひくことで 『 獲得免疫 』 ができます。

生まれつき備わっているものではなく、敵(抗原)に出会うと、その敵に応じた闘い方を学んで記憶します。
そのため、次に同じ敵に出会った時はすぐに攻撃をしかけることが可能です=これを 『抗体』といいますね。

この抗体は大抵の場合、一生涯持続し体を守ってくれる素晴らしいシステムです。

人間の体はじつに良くできています。その体は人工物ではなく自然物であるので、自然なものを体に入れて・身につけてあげていれば
獲得免疫と自然免疫がしっかり作用するはずなんです。

その反対に、人工物・化学薬品ばかりを体に入れていれば、獲得免疫と自然免疫は作用しにくくなるでしょう。保育園でもそんな状態を沢山見てきました。

と、免疫について述べられています。

 

 

今回のコロナウィルスの拡大やワクチンの摂取により、「免疫力」という言葉には、多くの人が関心を持ったのではないでしょうか?

 

それでも、わかっているようで、意外とわからなない・・・というのが「免疫」です。

 

私達の体を守るために戦ってくれるものだとなんとなくはわかるのですが・・・・・

その正体は、実のところ、一体何なのでしょうか?

 

ということで、マサヨさんの子育て情報の記事を読んでくださった方にも、さらに免疫について理解を深めていただきたいと思いますので、今回は、免疫についてご紹介していきたと思います。

 

人の健康を左右する「免疫」には2つの種類がある

 

免疫は、「ウイルスや菌などから私たちの体を守ってくれるもの」ということは、多くの人はご存じだと思います。

 

実は・・この免疫力にも種類があるんです。

これは、マサヨさんの記事にも出ておりましたが、次の2つの種類があります。

 

1 生まれつき持っている「自然免疫(治癒力)」

2 病原菌や微生物が体内に侵入したときにそれらに抵抗する「抗体」が作られたことによる「獲得免疫」

 

「自然免疫」

体内に侵入した異物を、白血球(好中珠マクロファージなど)が食べて攻撃するものであり、

「獲得免疫」

白血球のリンパ球が「抗体」と呼ばれる物質を作り、病原菌をやっつけて無力化します。

 

「抗体」というのは。侵入した異物1種類に対して1つ作られます。

このため、一度、抗体ができると同じ病原菌が侵入しても、前回作られた抗体が働くため同じ病気になることはないんです。

 

風疹とか、水ぼうそう、おたふくそして風邪などがその代表的な病気になります。

「風疹は1度かかったら抗体ができてるから2度とかからない」

とか、良く言われるのは、この獲得細胞が「抗体」を作るからです。

 

 

そして、免疫細胞を利用して病気を予防するのが、子供の頃に行われる「予防接種:ワクチン」です。

予防接種は、発病しない程度に処理した微量で弱い病原菌を、健康な体内に注射して病気を発病しないようにあらかじめ「抗体」を作るものです。

 

最近では、毎年インフルエンザが流行する季節が近づくと、インフルエンザの予防接種が行われていますよね。

予防接種は子供の頃に受けるのが多いのですが、免疫力の弱い子供には、できるだけ早く「抗体」を作りだしてあげることが必要だからです。

そのため。ニュージーランドなどでは、2歳からcovid-19のワクチン接種を義務付けるなどいう話も出てきていますよね。(これについては、私は反対ですが・・それは、また別の機会にお話ししたいと思います)

 

新生児には抗体がないため免疫を獲得(獲得免疫)していく必要がある

 

とところが・・・

抗体は病原菌が体内に侵入して作られるものなので、母親の胎内で無菌状態にあった新生児には獲得免疫はありません。

 

生まれてしばらくは母親の免疫によって守られますが、その後、様々な病原菌が体内に侵入し、抗体がつくられる経緯を繰り返して免疫力が少しづつ高まっていくのです。

 

 

赤ちゃんは、生後6か月を過ぎると感染症にかかりやすくなると言われています。

これは、母親から受けた免疫がその頃になると少なくなってしまうためです。

 

 

また、子供がある程度の年齢になると、保育所や幼稚園などで日中は集団生活を送るようになります。

 

ここでは、もともと感染症にかかりやすい子供が集まっているのですから、お互いに病気をうつし合い、さらに感染症にかかる機会が増えます。

 

 

けれど、「獲得免疫」という、いろんな病原菌に感染することで免疫を高めていくものがあります。

 

感染しないと免疫(抗体)もついていかないので、あまりにも予防しすぎていると、免疫力がかえって低くなってしまうことになっちゃうんです。

 

なので、子供はさまざまな病原菌の感染を受けるたびに新しい抗体を増やし、これを積み重ねることで、徐々に感染症にかかりにくくなっていく、つまり免疫力が高まっていくわけなんです。

 

「獲得免疫」というのは、まさしく、病気に感染することで獲得していく免疫のことなのです。

私達の身体というのは、打たれるほど強くなるという、すごい能力を持っているのです。

 

そんなことから、新生児がいる家庭では犬や猫などの動物を一緒に飼うことを進めているお医者さんもおられます。

犬猫は、散歩などにより外で様々な菌やウィルスを拾ってきます。

 

赤ちゃんや小さな子供が、犬や猫に触れてスキンシップを取ることで、犬猫が拾って来た様々な菌やウイルスを獲得することができるというのです。

実際に、子供の頃に犬猫と一緒に育った子は元気な子が多いという実験データもあります。

 

 

免疫力の差が生みだす感染の割合

 

さて、今回のcovid-19により、多くの人が知ったことは・・・

感染しても発症する人もいれば、発病しない人もいるし、感染しても全く無症状の人もいれば重症化する人もいます。

さらに、流行に飲み込まれず感染すらせずに健康的に生活でいている人もいます。

 

さて、この差はなんなのでしょうか?

この違いを生んでいるのが、今回のテーマである「免疫力」の差なのです。

 

流行の病気にかからない人の多くが、免疫力が高い状態を維持しています。

 

免免疫力が高いと、身体に害をなす病原体の体内への侵入を阻止したり、侵入してきた病原体に即座に対峙する機能が高くなります。

つまり、「免疫力」とは、体内に病原菌や異物が入り込んだ際に、それと闘い、打ち負かす力のことなのです。

 

そして、その働きをするのが血液中の「白血球」です。

次回は、免疫力の鍵を握る「白血球」について、ご紹介したいと思います。