骨と骨をつなぐ関節・関節の構造を知ろう!! 筋肉・骨・関節のヘルスケア(第3回)

このコーナーでは、筋肉と関節、骨について基本的なことを紹介しておりますが、前回は、全身の骨格と筋肉の名称についてご紹介させていただきました。

もちろん、覚えていただく必要はありませんが、聞いたことがある名前もチラホラと出てきたのではないでしょうか?

「あ~、ヒラメ筋ってこんなとこにある筋肉だったんだ~」という感じで、筋肉や骨に対して少しでも身近に感じていただければいいな~と思います。

全身の主な骨格と筋肉の名称を知ろう! 筋肉・関節・骨のヘルスケア(第2回)

そして、今回ご紹介するのは、関節についてのお話です。すこし専門的な内容になるので大まかなことだけわかっていただければと思います。

身体の中で腕や脚などが自由に動けるように、骨と骨が繋がっている部分【肘(ひじ)や膝(ひざ)、手足の指など曲げたり回したりできる部分】を関節といいます。

私達の身体は、関肉の力を働かせて、手や足などを動かしたい方向に動かすことができます。関節の形には種類があり、それによって動き方も異なります。

今回は、私達の身体を自由に動かすために働いてくれている関節について、関節の構造、種類と運動の方向などについて紹介していきます。


関節が備えている構造

関節を作る骨同士は、とても丈夫な、薄くて硬いゴムのようなもので繋がっています。

骨と骨が関節でつながることで身体が動き、骨としての働きを発揮する

骨と骨は互いに関節でつながって骨格をつくっています。頭蓋骨のように隣り合う骨が組み合わさっているものは不動性の連結といい、肘や膝のように動かしたい方向へ動かせるものを関節(可動性の連結)といいます。

関節をつくっている先端の骨は、膨らんでいるほうを関節頭、へこんでいるほうを関節窩といいます。

関節頭と関節窩はこすれないように軟骨で覆われ、すき間の順滑液によって滑らかに動くことができるようになっています。このように、関節が関節としての働きを健全に行うためには、次の4つの構造を備えていなければなりません。

関節腔(かんせつくう)

関節をつくる骨と骨の間には、必ず関節症というすき間が開いています。

関節包(かんせつほう)

関節腔を包み込み、関節をなめらかに動かすための順滑液を閉じ込めておっく袋があります。

滑膜(かつまく)

関節の順滑液をつくり出す膜が、関節包の内側に張りついています。

関節軟骨(かんせつなんこつ)

骨同士が調節こすれないように、衝撃を緩和するクッションのような役目を果たす部分です。

関節の主な種類と運動方向


骨の形や動く方向によって分類される

関節にはいくつかの種類があり、関節頭の形によって、どう動くかが決まっています。

運動の自由度や関節の形状によって多くの種類に分されます。

次の図はその主なものです。一方向の動きしかできない蝶番関節は肘の節などで機能しています。


関節がポキポキ鳴る、あれは何の音なの?


関節液の気泡が一気に弾ける音という説が有力です

膝の屈伸やストレッチをしたときに関節がポキッと鳴ることがありますよね。これは「クラッキング」とも呼ばれ、指の関節をはじめ首や顎、手首、肘、膝など、いろいろな関節で起こる現象です。

子供の頃、指の関節をわざと鳴らしたことがある人も多いと思いますが、なぜ音が鳴るのか知っている人は少ないと思います。

この音の正体については、長年いろいろな説が考えられてきましたが、最近の研究では、関節液(滑液)の小さな気泡が崩壊することで発生する音だという説が有効です。

関節は、「関節包」という袋で覆われ、骨と骨の間にあるわずかな隙間は潤滑油の役割を果たす「関節液」(滑液)によって満たされています。

指を引っ張ったり急に関節を曲げたりすると、骨と骨の間が離れますが、滑液の量はそのままなので関節包内の圧力が一気に下がります。すると、滑液の中に二酸化炭素などのガスが生じて気泡ができます。これは密閉された状態で圧力が下がると中から気体が発生するという、液体の性質のためです。

そして、さらに関節内の骨が離されると、この気泡が一気に移動して弾け、その音が周囲の軟骨や骨、関節包、腱などに反響して「ポキッ」とした音になるのです。

一度鳴らした関節を、続けて何度も鳴らせないのは、ガスが再び滑液に溶けるまで時間がかかるためです。よく、指の関節をポキポキ鳴らし続けると指が太くなると言われますが、その真偽は定かではありません。ただし、気泡が弾ける瞬間は、小さな面積に1トン以上もの力が働くといわれています。

無理な力をかけ続けると、関節の組織を損なう可能性もあるので、おもしろがって鳴らすのは控えた方がよさそうです。