新型コロナウィルスワクチンと副反応について知ろう!

現在、世界各国で新型コロナウィルスのワクチン接種が急ピッチで進められておりますが、その反面、ワクチンの副反応等についても研究者、プロの間で玉石混淆の情報が溢れかえっております。

新型コロナウィルスのワクチン開発は、「アウトブレイクパラダイム」という起速スキームで進められました。

どういうことかといいますと・・・

 動物実験の結果が出る前に人間に投与する

・ 投与する容量を安全性と効果の見定めのために段階的に増やしていくところ、すっ飛ばして投与している

ということです。

つまり・・・

普通であれば5~6年かかるところ、1年以内でやろうとすれば、倫理観と安全性が、一方を追求すると他方が犠牲になるトレードオフの状態にならざるを得ないということです。

このページでは、猛烈な速さで開発された新型コロナウィルスワクチンについて、その種類と効果、安全性などについて・・・様々な意見がある中で、今のところ一般的に言われていることについてご紹介したいと思います。(この記事では、ワクチン接種を推奨するものでも否定するものでもありません。ワクチンの接種については、個々の判断で見極めていただきたいと思います。)

新型コロナウィルスに関する記事はこちらから

ワクチンって何のためのもの?

ワクチンは、感染する前に接種して、人から人への感染を防止するのが目的です。

さらに、感染した際に、症状を軽く抑える効果も期待できます。

人の身体に特定のウィルスに対する免疫をつけさせる手段であり、一度体にウィルスを感染させ、もう一度同じウィルスが体の中にやって来た時に備えさせるというものです。

ワクチンにもたくさんの種類がある

ワクチンにもたくさんの種類があります。

今まで主流とされてきたワクチンが「ワクチン3兄弟」と呼ばれる、

① 生ワクチン

② 不活化ワクチン

③ 組み換えワクチン

です。

これらのワクチンは、ウィルスの全部や一部(特にタンパク質)を用意して体に入れるタイプのワクチンになります。

それに対して、今回注目されているワクチンが、テクノロジーワクチンである

「核酸ワクチン」

と呼ばれるものであり、ワクチンの設計図だけをうつというものであり、新型コロナウィルスで世界で初めて開発されたワクチンになります。

では、これらのワクチンについて、説明してきたいと思います。

生ワクチン(弱毒化ワクチン)

生ワクチンは、ウィルス・病原体を弱毒化して、弱った形で体に入れるという方法です。

メリットとしては、

① 摂取後に得られる免疫が強固

② 自然感染による強力な感染を防ぐことができる

という点です。

反対にデメリットとしては、

ウィルスや感染が体内で増殖するため、しばらくして発熱や発疹等、その病気の症状が軽く出る

ということです。

このタイプの新型コロナウィルスワクチンとしては、アメリカのコーダジェニックス社のものがあります。

不活化ワクチン

ウィルスをホルマリンに漬けて殺して体内で増えないようにして、綺麗に生成した成分だけをうつというタイプのワクチンです。

死んだウィルスを打っても、感染や病気が防げるの?

という疑問を持たれる方は多いと思いますが、死んだワクチンをうつことでも、実際に感染や病気が防げることが分かっています。

ただし、実際に身体に感染が起こるわけではないので、免疫系の反応が若干弱いのが特徴です。

また、効果が長く続かず、3年位は続くけれど4年後にはまた感染してしまうという可能性もあります。

そこで、免疫系への刺激を強く与えてあげれば良いのではないか?

という考え方が生まれ、アジュバンド(ADJUVANT)という、ワクチンの成分と同時に射ちこんで免疫系を刺激するものが加えられました。

アジュンバンドは、体内に入れることで「大変だ!本当に感染してしまった」と体にウィルスとして勘違いさせるためのものです。

インフルエンザのワクチンは、ほとんどがこの不活化ワクチンになります。

ただ、不活化ワクチンは量産することができないというデメリットがあります。

不活化ワクチンは、ウィルスを増やさないと作れないワクチンになるため、鳥の卵にウィルスを射込んで、一気に増やします。

そしてウィルスの粒子を取り出してホルマリン等に漬けて殺して精製するという方法で製造します。

この方法で作り出されたワクチンで効果が得られることとなり、世界的なワクチンの主流は現在のところ「不活化ワクチン」ということになっています。

ただし、上記の製造方法から、量産と効果には限界があると言われているのです。

新型コロナウィルスのワクチンで、このタイプのワクチンは、現在開発中の日本のKMバイオロジックス社、タイで使われている中国製のシノバック社、シノファーム社のワクチンがあります。

組み換えワクチン

70年代以降のバイオテクノロジーの急速な発達が新たなワクチンを生み出しました。

ウィルスを増やさなくてもウィルスの成分の1つだけを人工的に作ったらどうらどうか?

という発想が出てきたのです。

この発想から作り出されたのが組み換えワクチンですが、人の体に打つとちゃんと抗体ができることがわかりました。

ただし、このワクチンも不活化ワクチンと同じ理由で刺激が弱いため、アジュバンド、接種スケジュールなどの方法論がどんどん発達していきました。

核酸ワクチン

次に、ウィルスの成分をのタンパク質を人の体内で作らせてもいいんじゃないか?という発想が生まれてきました。

ウィルスの一部のタンパク質の設計図に当たるもの(DNAやRNA)を射ち込み、体内でウィルスを作らせて、免疫系を刺激するというものです。

つまり、人の細胞の細胞増殖機能を利用するというものであり、メリットとしては

・製造が比較的簡単(工程が少ない)

・管理が比較的容易(コストが安い、量産しやすい)

・流通もさせやすくなる

といった点が挙げられます。

最初に考え出されたのが、ウィルスに遺伝子の設計図(DNA)を持たせて体の中に打ち込むワクチンです。

自己複製能力と増殖力を失わせたウィルスに設計図を持たせて細胞の増殖機能のところまで運ばせるという方法を取っていました。

ウィルスベクターと呼ばれるタイプのワクチンであり、イギリスのアストラゼネカ社の新型コロナウィルスワクチンがこのタイプになります。

けれどその後の技術の進歩により、わざわざウィルスに設計図を持たせなくても、体内目的地に設計図を直接届けるような方法が見つかってきたのです。

これは、DNAを転写して具体的な指令書・命令書みたいに書き換えたRNA(リボ核酸)を体内に打ち込むというもので、今注目されているmRNAワクチン(メッセンジャーRNAワクチン)と呼ばれるものです。

アメリカのファイザー社、モデルナ社の新型コロナウィルスワクチンが、このタイプのワクチンになり、

これらテクノロジーが生み出したワクチンのことを「核酸ワクチン」と呼びます。

核酸ワクチンは、人間の体のタンパク質製造システムを使ってウィルスの成分を作るというテクノロジーが生み出した画期的なワクチンです。

遺伝子治療でも同様の理論が使われています。

ただし、遺伝子治療の分野では、ウィルスに設計図を持たせるウィルスベクターを使ったものしかありません。

なので・・・

核酸だけを射ち込む治療は、今回この新型コロナウィルスの核酸ワクチンが、人では初めての承認になるのです。

動物実験でうまくいき、理論上はうまくいくであろうということも良くわかっているが、人で承認されたものが今まで販売されたことがないため、実地上の問題点の洗い出しは全然これからの話となってくるわけなのです。

核酸ワクチン開発の流れ

2019年秋ごろ、核酸ワクチンのレビューがいくつも出ていました。

「長い時間かかるだろうけど、こういうワクチンもそのうち実現化されるよね・・」

「明るい未来がそのうちやってくるよね」

「実現には10ねんはかかるだろうな~」

といった話です。

ということで、核酸ワクチンの可能性にはとても注目され、期待されながらも、実現化には少なくとも10年はかかるものだと考えられていたのです。

ところが、新型コロナウィルスのパンデミックがやってきたことで状況は一変します。

mRNA(メッセンジャーRNA)ワクチン、mDNA(メッセンジャーDNA)ワクチンを人に向けに作ってみようという試みが、急ピッチで進められたのです。

実は、感染症のワクチンでは、SARSウィルス、MARSウィルス向けに、核酸ワクチンの開発に取り組みがなされていたのですが、様々な理由で開発がストップしていたのです。

そのため、SARSウィルスとそっくりな新型コロナウィルスについては、今までSARSウィルス向けに開発していた技術が応用できるのではないだろうか?と考えられたのです。

このことで、医薬品会社、ワクチン研究者などが色めきだちました。

つまり、現在の新型コロナウィルスのワクチン開発は、このような状況下で始まったわけなのです。

テクノロジー技術によりSARSウィルス、MARSウィルスに対応するワクチン開発を考えていた、RNA、DNA、およびウィルスベクター関連の研究所や会社が一斉に、新型コロナウィルスのワクチンの開発にスタートダッシュをかけたのです。

どこが最初にワクチンを開発するのか?

という科学大国ぶりを見せつける効果を狙って開発が勧められたところもあります。

また、核酸ワクチンの開発だけでなく、従来の不活化ワクチン等の成分ワクチンの開発も進められました。

やはり、従来の不活化ワクチンは、安全性や副反応については経験があるから概ね予測ができるため、当然、ワクチン開発の選択肢からは省けない存在なのです。

注目の核酸ワクチンは安全なの?

新型コロナウィルスのワクチンで断然注目されているのは、テクノロジー技術で作り出された核酸ワクチンです。

では、核酸ワクチンのメリットとデメリットを見ていきましょう。

まず、メリットとしては、

① 大量生産が簡単である。

② テクノロジーとして原理は良くわかってきている(いかにも科学の進歩という面がある)

という点です。

デメリットとしては、

核酸だけを人の体内に打ち込む治療は人では初めての承認となる。(広く試されていないテクノロジーである)

という点であり、本来20年かけてもおかしくないくらいの検証を思いっきりすっ飛ばしているというところに大きな問題点があります。

ファイザー社と、ビオンテック社が開発したmRNAワクチンの大規模実験では、

① 人の体内においても免疫がちゃんと反応することが確認され、しかも効果が高かった

② 安全性の面では、発熱や頭痛などの副反応が相当出ている(中には通常であれば治験が停止するくらいのものも出ている)


といった結果が出ております。

まだまだ未知数の副反応・・・ADEが出る可能性も!

皆さんはADEという言葉を聞いたことがあるでしょうか?

ADEとは、

ウィルスにウィルスを無力化できない抗体がくっつくことで感染や症状が促進される現象

のことを言います。

このADEは、動物実験段階ではSARSウィルスのワクチン開発でも起こっておりました。

新型コロナウィルスは、SARSを起こすコロナウィルス SARS-COV に良く似ていることから命名されました。

新型コロナウイルスは、SARSウィルスにものすごく良く似たウィルスなので、副反応としてADEが起こってしまう可能性が指摘されています。

人の体内で中途半端な抗体ができてしまうと、ADEが起こり得る可能性は否定できないそうです。

ADEが発生すると、ウィルスに感染したときに、かえって重症化してしまうという逆効果が見られます。

これらの副反応については、今回の治験までにこのワクチンをうって10年、20年と生きてきた人がひとりもいないだけに、これから先の10年後の状態など、長期的な余後についてわからないというのが真実です。

また、今回のワクチン接種により、できた免疫がどのくらいの間持つかは予測ができないそうです。

ただ、3か月位すると、

・免疫のバロメーターの一部が落ちてくる

・血液中の抗体の量が下がってくる

といったことも確認されています。

ちなみに、麻疹などのワクチンによる免疫は、ほとんど一生続きます。

けれど、インフルエンザのワクチン接種によりできた免疫は、数か月で消えるとも言われています。

そして、なぜ数か月で消えるかについては、分子生物学的に、まだ全くといっていいほど解明されていないそうです。

以上、新型コロナウィルスのワクチンに関して、簡単にまとめてみました。

今後まだまだ、新しい情報がたくさん出てくると思いますので、追加情報として今後もアップしていきたいと思います。

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