なかなか感染者数が減少しないCOVID-19(新型コロナウィルス)ですが、ワクチンを打ったからもう感染しないと安心してはダメですよ~!!
ワクチンは薬ではありません。あくまでも予防のための対策であり、ワクチンを打っても気を弛めて感染対策を怠ると・・・感染してしまいますよ~!!
ということで、まだまだ気を引き締めて、自分で感染対策をしっかりととっていきましょう!!
ということで今回は、風邪などのウィルス感染にとても効果が高いという研究結果がたくさん出ている「りんご」や「ぶどう」などに含まれる「ケルセチン」という抗炎症・抗ウィルス成分についてご紹介したいと思います。
現在、COVID-19の感染予防に関してもその効果が研究・検証されており、身近な食べ物の中で感染予防効果が非常に期待できる成分の1つになるのです。
COVID-19が体内で重症化する理由を知ろう!!
皆さんはCOVID-19がどうして、他のウィルスと違い重症化して死に至るのかについて知っていますか?
まず最初に、COVID-19に感染して重症化する原因について説明しておきたいと思います。
以前、ご紹介しましたが、COVID-19というのは、ウイルスの名前ではなくて「病気」の名前になります。
2019年に発症したため、「corona vlrus disease」に2019年の末尾2桁の19をつけてCOVID-19と呼ばれるようになった、コロナウィルスによる疾患になります。
なので、今回みなさんを恐怖のどん底に陥れているウィルスの名前は「SARS-コロナウィルス2」と呼ばれるものになります。
2003年に大流行したSARSを起こすコロナウィルスに構造が良く似ていることから、命名されました。
この「SARS-コロナウィルス2」は、気道や消化管、腸から人の体内に侵入します。
このウィルスは、喉の奥の細胞、腸の表面の細胞に対して、まず戦いを挑んで侵入してきます。
人の免疫システムは、ウイルスが体内に入ってくるとすぐに起動します。
通常の風邪ウィルスなどは、この免疫システムがうまく働いて、ウィルスに侵されてしまった細胞をやっつけることで事なきを得て終わる・・・という経過をたどります。
ところが、SARS-コロナウィルス2は、特別なウィルスであり、この免疫システムがうまく働かないのです。
免疫細胞の中でもウィルスをやっつけてくれる強力な貪食細胞のマクロファージは、SARS-コロナウィルス2が侵入してきたらがんばってこのウィルスを食べて処理しようとするのですが・・・
食べても食べても処理しきれないため、通常の風邪なら3日ほどで炎症がおさまるものが、炎症が長引いてしまうのです。
炎症が長引くと、もっともっと免疫機能を高めないといけないと体が反応するため、サイトカインというメッセンジャーを発生させることになります。
サイトカインは免疫細胞を集めるメッセンジャーなので、サイトカインがどんどん増えることにより、あらゆる免疫細胞(特に攻撃するタイプの免疫細胞)が炎症が起こっている臓器に集まって来くることになります。
すると、攻撃型の免疫細胞が寄ってたかって攻撃を開始するため、免疫細胞の暴走が起こってしまうのです。
つまり、自分で自分の細胞を攻撃し出すのです。
そうすることで、肺、肝臓、腎臓等の臓器細胞がダメージを受けて命に関わることになります。
この現象をサイトカインストームと言います。
特に、もともと炎症が起こりやすい体の状態にある人にとっては、重篤な症状を招いてしまいます。
もともと炎症がおこりやすい体の状態にある人というのは、
例えば
リーキーガット症候群、糖尿病、高血圧
等が挙げられますが、「肥満」の人も注意が必要です。
つまり、こういった常に炎症が起きやすい体の状態にある人は、サイトカインストームが呼び水となってしまい、炎症の火をつけてしまうのです。
とうことで、COVID-19に感染する根本的な原因として、SARS-コロナウィルス2が「免疫系を過剰に攻撃する」ことがわかってきていることから、今、免疫系の暴走をしっかりと押さえてくれる成分が注目され、研究・検証されだしているのです。
感染予防に注目の抗ウィルス成分「ケルセチン」
コロナウィルスに感染しない予防方法として、一番重要な成分としてビタミンDが挙げられますが、ビタミンDは日光浴をすることで体内で合成されるます。
あと、亜鉛も積極的に摂ることをお勧めします。
亜鉛は、ナッツ類等に豊富に含まれていますし、私が積極的に摂取しているハーブの「黒ガリンガル」や「モリンガ」にも多く含まれています。
このビタミンDと亜鉛については、また別の記事でご紹介したいと思います。
ということで、今回紹介するのは「ケルセチン」という成分です。
玉ねぎやリンゴなどに含まれることが知られている抗炎症、抗ウィルス成分です。
ケルセチンはビタミンDのように人体の中では合成されないので、食べ物から摂取する必要があります。
今までの研究で、多くのウィルスに対して、抗ウィルス効果を発揮することがわかっています。
「エボラ熱ウィルス」や、リオオリンピックの時に流行った「ジカ熱ウィルス」等にも効果があるとされており、風邪や上気道炎等にケルセチンを使う研究なども多くなされており、ケルセチンを摂取することで、風邪の罹患リスクが低くなることが報告されています。
では、そんな優れたケルセチンとはどのようなものなのでしょうか?
ケルセチンが多く含まれている食品
ケルセチンはフラボノイドの一種であり、多く含まれている食品としては
① 赤玉ねぎ、ブロッコリー、サニーレタス、アスパラガス、モロヘイヤ等の野菜
② ラズベリー、フランベリーなどのベリー類、リンゴやブドウなどの果物
③ 赤ワイン、緑茶、そば等
があります。
ケルセチンの効果
現在、わかっているケルセチンの効果としては
① ウィルスに対する抗ウィルス作用
② アトピー皮膚炎の改善
③ 抗ガン作用
④ ミトコンドリアの機能を活性化させ細胞を元気にしてくれる(アンチエイジング)
等があります。
ケルセチンがコロナウィルスに対して効果があるかどうか?
抗炎症、抗ウィルス作用が高いことが、たくさんの研究結果で示されているケルセチンですが、それではSARS-コロナウィルス2には効果があるのでしょうか?
コロナウィルスが細胞の受容体にくっつくのを阻害する効果
コロナウィルスが、細胞の中に侵入する方法としては、細胞の表面に存在するACE-2という受容体が関係しています。
外から入って来たウィルスは、このACE-2という受容体にくっつくことによって、細胞の中に侵入することが可能になります。
ところが、ケルセチンは、コロナウィルスが、ACE-2受容体にくっつくのを阻害する作用があります。
ケルセチンが、優先的にACE-2受容体にはまり込むことによって、ウイルスが細胞に侵入しにくくしてくれる効果があるのです。
さらに、ケルセチンには、コロナウィルスの増殖を抑制する効果も確認されています。
2020年の研究結果で、色々な成分がコロナに有効であるかどうかを研究した報告があります。
これは主として中国漢方の成分効果について調べた研究になるのですが、やはりケルセチンが非常に効果的であったそうです。
ケルセチンの抗凝固効果
ケルセチンの持っている作用の1つに抗凝固効果というのがあります。
抗凝固効果とは血液が固まるのを抑制する効果のことになります。
通常トロンビンという成分が固まって血の塊ができるのですが、ケルセチンはトロンビンの働きを抑制する作用があります。
この抗凝固効果ですが、実はコロナの感染者に対してはめちゃくちゃ重要な効果になるんです!!
コロナ感染者のメインは、結果的に臓器に対して血の塊を作ることで重症化を引き起こす大きな要因となっています。
なので、血液が固まるのを抑制する作用イコール、コロナ感染者の重症化を抑制する効果があるといえるのです。
そのことを研究した最新の報告があります。
2021年にイタリアの研究者が行った研究になりのですが、軽症のコロナ患者を対象に、ケルセチンを投与した際の効果を検証したものです。
コロナ感染の軽症患者を21人ずつ2つのグループに分けました。
Aグループの患者には通常行われている標準的な治療を行いました。標準的な治療とは、アジスロマイシンというマクロ系の抗生物質を投与するものであり、コロナ感染治療のプロトコルに組まれている治療法になります。
Bグループの患者には、200mgのケルセチンを投与しました。
治療開始1週間後にA、Bグループ両方にPCR検査を行ったところ、Aグループでは2名しか陰性にならなかったのが、ケルセチンを投与したBグループでは16人が陰性になり、さらに血栓の割合を測定するDライマーのマーカーの値が減っているのが確認できた。
ということで、ケルセチンは、コロナ感染の早い段階でウィルスをやっつける効果が確認されているのです。
さて、これらの結果を聞いてどうですか?
リンゴやぶどう等を食べるだけでコロナにかかりにくくなり、軽症であれば早い段階で治る可能性があることがわかりつつあるんです。
ケルセチンは抗ウィルス成分である「亜鉛」を細胞の中に引き入れる効果がある
ケルセチンがコロナウィルスの感染予防に効果があるとされる理由がもうひとつあります。
それは、ケルセチンは、抗ウイルス効果にすぐれたミネラルである「亜鉛」を、細胞の中に引き入れる効果が確認されているのです。
なので、亜鉛と一緒にケルセチンを摂取するのは、とても効果的なのです。
そのため、サラダ等にナッツを一緒に入れて、ケルセチンが多く含まれたリンゴ酢をかけて食べると非常に効果が高いそうです。
さらに、抗酸化物質のビタミンCとグルタチオンが体内にたくさんある状況だと、ケルセチンも抗酸化作用を発揮する方向で働いてくれうそうです。
ケルセチンは、とても不思議な成分であり、
① 身体を酸化させる作用
② 身体が酸化するのを防止する作用(抗酸化作用)
の正反対の作用を、両方とももっています。
そして、先ほど述べたように、身体が酸化するのを防止するように働いてくれるのは、体内にビタミンCとグルタチオンがたくさんある場合です。
なので、亜鉛と同様に、ケルセチンを取る時には、ビタミンCと一緒に摂取した方がより効果的だと言えます。
私は毎朝、レモン1個を搾ったレモン水に、大匙1杯のリンゴ酢を入れて飲んでいます。
これは身体の抗酸化作用をあげてくれる、とても手軽な方法ですよ~
ケルセチンをサプリメントで摂るのはお勧めではない
リンゴは、このようにとても優れた抗酸化&抗ウィルス果物ではありますが、剥くのが面倒くさい~という方も多く、「ケルセチンのサプリメントを飲むのはだめですか?」という質問を受けます。
答えはあまりお勧めはできません。
ケルセチンだけでなく、果物や野菜、ハーブなどに含まれている1つの成分だけを抽出したものを摂るのは危険だとするデータもあります。
植物は、外敵から身を守るために自分の身体の中に様々な抗菌・抗ウィルス、抗酸化物質を作り出してきました。
なので、植物の中には絶妙のバランスでそれぞれの成分が存在し、相互に協力して、敵に打ち勝つためのすぐれた力を発揮します。
そのため、野菜にしても、果物にしても丸ごと食べることで、その成分が持つ最大の効果を得ることができます。
風邪やコロナウィルスに感染してしまった場合は、早期に処置する必要があるため、そんな時はサプリメントを摂取することは効果がありますが、日頃は、できるだけ食べ物そのものから摂取することを心がけてほしいと思います。
リンゴが健康に良いことは疑いようがない
ケルセチンの効果については、概ね理解していただいたと思いますが、ケルセチンを手軽に摂取できる「りんご」については、たくさんの研究結果があるので紹介しておきますね。
「1日1個リンゴを食べると医者いらず」と昔から言われており、りんごと健康に関する研究はとても数多くなされています。
実際この言葉のとおり、1日1個りんごを食べると実際医者に行かずにすんだのかどうかを検証した研究があります。
2015年の研究報告になりますが・・・
残念ながら報告結果としては、1日1個りんごを食べても医者に行かずにすんだということはなかったようです。
けれど、医者から処方される薬の量がかなり少なくてすんだことがわかっています。
その他、リンゴに関してはとても多くの研究がされており、リンゴや心臓病や脳卒中等の予防に効果があるとされた結果も多くあります。
リンゴの健康に関する研究で、今のところ確認されている効果としては
① リンゴのフラボノイドが炎症を抑える
② 食物繊維(水溶性食物繊維のリンゴペクチン)が豊富なので腸内に良い影響を与える
③ 腸内細菌叢を良い方向にチェンジさせる
④ 大腸がんや胃がんの予防と改善
⑤ ダイエット効果
⑥ 骨を強くする
⑦ 喘息や糖尿病の予防
等があります。
りんごは糖尿病の人が摂取しても比較的安全な果物である
けれど、リンゴには糖質が含まれているので、糖尿病患者が食べるのはタブーだと思われている方も多いるようです。
実際に中ぐらいの大きさのりんご1個には、炭水化物が27g位含まれています。
けれど、そのうち4グラムは食物繊維になります。
なので、りんごの炭水化物(糖質)は、食物繊維がたくさん含まれた炭水化物だといえるのです。
食物繊維は、糖質と一緒に体の中に入れると、血糖値の上昇を防ぐ効果があります。
つまり、食物繊維をたくさん含むりんごはたとえ糖質を含んでいても高血糖にはなりにくいといえるのです。
そんなことから、りんごは、糖尿病の人が摂取しても比較的安全な果物だといえます。
りんごは剝いて食べる? 皮のまま食べる?
とても身体に良いことがわかっているりんごですが、1つだけ問題点があります。
リンゴの抗酸化成分であるポリフェノールは、血糖値の上昇を抑制してくれるすぐれたものですが、なんと皮の部分に多く含まれているのです。
りんごのポリフェノールはダイレクトに膵臓を刺激するため、血糖値を下げる効果が確認されているのですが、皮に多く含まれているとなると・・・・農薬の面で心配が出てきますよね。
農薬王国の日本なので、りんごにはかなりの農薬が使われています。
じゃあ無農薬のりんごを皮のまま食べればいいじゃない? と言うことになりますが、無農薬のりんごは、なんととんでもなく高額です。(先日、妹が購入しようとしたら1個500円したそうです)
この値段では、毎日りんごを食べるのは無理ですよね~
農薬を気にしないで皮ごと食べるか・・・はたまた、ポリフェノールは少ないけれど皮を剥いて果実だけを食べるか・・・
それは、個々で選択していただくしかないのですが、現代は100パーセント安全な食べ物というのは、なかなか存在しないのが現状です。
なので、どこかでリスクを考えながら、選択をしていくしかないのですが・・・
私は、やはり農薬が怖いので、皮を剥いて食べる方を選択しております。
でも1つ、果実だけを食べる点にも良い報告があります。
2019年の研究結果の論文になるのですが・・・
りんごには多くの細菌が含まれています。
この細菌は、果実や種の部分に多く存在し、皮の部分にはほとんどいないそうです。
えっ、いない方がいいじゃん!!
と思った方・・・実はいた方が良いのです。
りんごを食べると、りんごの抗菌ペクチドが腸の中に増えます。
この抗菌ペクチドは、りんごの中に含まれている細菌が良い影響を与えて増やしているそうです。
なので、果肉なだけ食べても、腸にとっては良い結果を得ることができるんです。
また、抗菌ペクチドが増えると、感染予防にもなりますので、新型コロナ対策にはうってつけです!!
リンゴを剥くのが面倒な人は「りんご酢」を摂ろう!
どうしても、毎日りんごを剥いて食べるのは面倒臭い!!という方にお勧めなのが・・・「リンゴ酢」です。
リンゴ酢は、研究結果でとても腸に良いとされており、特に大腸菌やガンジタ菌などをやっつけてくれたり、便秘にも効果があります。
リンゴ酢は、リン酵母を発酵させたもので「アップル・サイダー・ビネガー:Apple cider vinegar」と呼ばれています。
お酢なので、もちろん酸性なのですが、不思議なことに体内に入るとアルカリ性に変わります。
カルシウムやミネラルの吸収を調整する働きもあるため、カルシウムやミネラルが豊富なアーモンドやクルミなどにかけて摂取する人もいるそうです。
ただし、リンゴ酵母(マザー)から作られているリンゴ酢でないと効果がないので、購入される場合は、必ずマザー入りかどうかを確認してくださいね。
1日、概ね大匙2杯を摂取すれば、十分なケルセチンを摂ることが可能です。
とても酸っぱいので、酸っぱいのが苦手な人は・・・・やはり、リンゴを剥いて食べてください~!
ということで・・・りんごやブドウ等に含まれる「ケルセチン」の効果と、りんごそのものの効果についてご紹介してきました。
りんごやぶどうって本当に美味しいですよね~。
美味しいものを食べながら、感染予防できるって最高です。
ただし・・・日本は私が住むタイと違い、りんごやブドウがとても高いそうです。
でも、今の時期だけは、スイーツやお菓子をがまんして、そのかわりにりんごやブドウを食べてほしいと思います。
しっかりと免疫力をつけて、COVID-19に負けない毎日を送りましょう!!