今回は、抗菌、抗ウイルス、抗真菌作用がとんでもなく強い最強オイルの「オレガノオイル」をご紹介します。
日本ではまだまだ認知度が低いオイルになりますが、ヨーロッパでは一家に1本と言われているくらいの万能薬として重宝されているオイルです。
特に、腸内のカンジダ菌の増殖を抑えることから、天然の抗生物質として使われているすごいハーブでなんです。
今回は、2500年前から腸内環境をリセットするのに使用されてきたオレガノオイルについて、ご紹介したいと思います。
オレガノオイルってどんなオイルなの?
オレガノは、別名を「ワイルド・マジュウム」「オリガナム」「ハナハツカ(花薄可)」などともいい、ミントの仲間でシソ科の多年草に分類されています。
高さは30~60センチメートルになるそうです
ワイルドマジョラムの別名からもわかりますが、マジョラムの近縁種でもあることがわかりますが、オレガノをワイルドマジョラムと呼ぶ場合には、通常のマジョラムはスイートマヨラムと呼んで区別するそうです。
また、マジョラムの原産地はキプロスとトルコ南部になりますが、オレガノの原産地はユーラシア大陸南西部、地中海地域などになります。(アジアの山岳部にも自生している野生のハーブです。)
独特の匂いが特徴であり、オレガノオイルはオレガノから抽出した油になり、1㎏のオレガノから約1グラムの油しか週出できない、とっても貴重なアブラになるんですよ。
独特の香りがするオレガノを凝縮したオレガノオイルは、初めて使うときには注意してください。痛いと思うくらいの刺激臭があるので、普通のオイルのような感覚で使用したら大変な目に遇いますよ~!!
なので、オリーブオイルやココナッツオイルのように料理に使えるアブラではなく、葉の海外では葉の部分がスパイスの1つとして料理に使われています。
お肉料理に用いれたり、トマトやチーズとも相性がよいためイタリア料理やメキシコ料理のピザやチリソースなどでとてもよく使われていますので、スパイスについては、お目にかかったことがある方は多いと思います。
オレガノオイルの歴史
オレガノオイルは古代ローマの時代から薬用、調味料、香辛料として使われてきました。
原産地が地中海沿岸地域になるため、古代文明でもオレガノは薬草として重宝されてきたようです。
古代エジプトでは、第十八王朝時代(紀元前1580頃~)から1500年間の間に香料、芳香物質の医療上の特質についての知識と香膏と油の製造についての知識を完璧なものしたということが記録されていますが。その記録の中にはオレガノも入っており、オレガノが古代エジプト人達に使われていたことがわかります。
また、古代エジプトでは、ミイラを作る際の防腐剤としても使われたり、バスハーブとしても人気があったとも言われています。
オレガノの栽培を始めたのは古代ギリシャ人であるというのが通説であり、ギリシャでオレガノは女神アフロディーナによってつくられた薬草として信じられています。
オレガノという呼び名についてもギリシャ語で「山」を意味する「ORES]と「喜び」を意味する「GANOS]が結びついたのが語源だとされています。
なので、「山の喜び」としてオレガノが紹介されれるのは、このためなんです。
古代ギリシャでは、オレガノは魂の平穏を祈って墓所に植える植物として大切にされてきたそうです。
医学の乳と呼ばれる「ヒポクラテス」はオレガノオイルについて記述を残しており
消化系の病気
皮膚の状態改善
呼吸器疾患の治療薬
として賞賛し、薬用ハーブとして利用していたそうです。
けれど、その後オレガノの薬効がしっかりと認められるようになったのは、16世紀なんです。
オレガノは古代ギリシャからローマへ、そしてローマの拡大とともにヨーロッパや北アメリカでも栽培・利用されるようになっていきました。
そして、このオレガノの効能がきちんと報告されたのは、薬草学者のジェラルド博士が胃痛に用いたことが始まりだそうです。
なので、アメリカでは第二次大戦まで、それほどポピュラーな薬草ではなかったとされています。
オレガノの精油はアロマテラピーの中では今でもあまりポピュラーな存在ではありません。それは、オレガノ製油は後に説明するフェノール類(カルバクロール、チモール等)の含有性が高く、神経や肝臓に対して負担がかかるおそれがあり、皮膚刺激性が高いと考えられているためです。
そのため、アロマテラピー関連の本を見ても「使用を避けた方が良い精油」として紹介されていることが多いのが特徴です。
けれど、その反面、その効能の高さから、「天然の抗生物質」として注目もされているのは間違くなく、昔のイギリスでは、民間治療として、腹部を温め、吐き気や船酔いに効果があるとして、オレガノ茶として愛飲されてきました。
オレガノ茶は、消化の促進を助けるとして、古くは薬屋の棚に陳列されていたそうですが、今では見ることがないので、いったいどんなお茶だったのかとても興味があります。
ただ・・・・
欧米では、風邪の症状や胃腸の不調などの緩和用途に、家庭に必ず1本はあると言われる常備薬ですが、日本ではまだまだ知らない人が多いですよね。
特に、新型コロナウィルスの感染予防にも効果があると期待されており、欧米ではその使用頻度が高まっているというのに、日本ではあまり紹介はされておらず感染予防として使用されている人はごくわずかだと思います。
オレガノの精油の成分
では、次にオレガノオイルの成分について紹介していきたと思います。
オレガノには、
ビタミンA
ビタミンC
ミネラル
豊富なクロロフィル
各種フラボノイド
等がふくまれています。
さらに、オレガノの葉には
・フェノール
・トリテルペン
・ロスマリン酸
・ウルソール酸
・オレアノール酸
などの、様々な抗酸化化合物が含まれています。
中でも、様々な効果を発揮する活性成分が、フェノール類の「カルバクロール」と「チモール」という成分です。
特にカルバクロールは重要な働きをしていると考えられており、オレガノの精油にはこの2つの成分が凝縮された状態で含まれてます。
オレガノに含まれている精油成分の割合ですが、
カルバクロールは 85,8%
チモールは4.4%
y-テルピネンが2,7%
となっており、カルバクロールという成分がとてもたくさん含まれていることがわかります。
米国農務省の研究グループが発表したオレガノと他の食品との抗酸化の比較では、オレガノが
リンゴの42倍
ポテトの30倍
オレンジの12倍
ブルーベリーの4倍
という結果が報告されています。
オレガノオイルの効能
オレガノの歴史と成分を聞いただけでも、なんだかすごいハーブだということで期待が持てますよね!!
では、実際にどのような効能があるのかを見ていきたいと思います。
オレガノオイルは、以下の症状に効果があるとされています。
① カンジタ症
② IBS(過敏性腸症候群)
③ SIBO(腸内細菌以上増殖症候群)
④ 風邪
⑤ アレルギー疾患
⑥ 花粉症
⑦ 肌荒れ
⑧ 水虫
⑨ イボ
⑩ 歯周病
⑪ 寄生虫感染症
などが報告されています。
大きく分けると、
① 抗菌作用
② 抗酸化作用
③ 抗ウィルス作用
④ その他の作用
の4つに区分されるので、この4つの内容についてオレガノの効能を見ていきたいと思います。
効能1 抗菌作用
オレガノオイルの効能として、1番に挙げられるのが抗菌作用です。
これは、先に説明した精油成分のカルバクロールの働きによるものです。
バクテリア以外にもウィルスやその他の微生物の繁殖にも効果があります。
オレガノオイルの抗菌作用の代表的な研究例は次のとおりです。
ジョージタウン大学医療センターでの2001年の研究では、オレガノオイルがカンジダ菌の成長を完全に阻害できることが分かりました。オレガノオイルのカルバクロールとチモールは、血流中の水と反応することによりカンジダ菌を脱水し、過成長を阻害しました。
2008年9月に中国農業大学食品科学栄養工学部で実施された研究では、オレガノオイルが大腸菌に対しその細胞質膜を脱分極することで効果を発揮することが分かりました。
脱分極とは、イオンの動きにより細胞内がプラス(正)の状態になる変化のことを言います。
西イングランド大学による研究では、カルバクロールは18種類の医薬品よりも効果的な抗菌薬であることが分かりました。
この研究では、少量のカルバクロールでも汚染水を十分に殺菌した効果を証明。
微生物を殺す能力は、ストレプトマイシンやペニシリンなどの医薬品抗生物質よりもさらに効果的であることが示されました。
大腸菌、緑膿菌、ピロリ菌など、強い病原性を持つ菌は、薬に耐性を持つためにその構造を変える特性があります。
そんな病原菌に対しても、オレガノオイルは効果を示したとのことです。しかも、頑固で除去が困難なカンジダ菌のバイオフィルムは、オレガノオイルのカルバクロールには耐性がないという研究結果があります。
2016年の『Frontiers in Microbiology』にはオレガノエッセンシャルオイルが黄色ブドウ球菌と表皮ブドウ球菌を筆頭とした、多剤耐性株を含む試験したすべての細菌株の増殖を阻害したことが掲載されています。
ブラジルで行われたインビトロ(in vitro)実験ではオレガノ精油が5種類のカンジダ種に対して効果的でだったことが報告されており、オレガノ精油がカンジダ症の治療のための優れた代替品となる可能性を示唆した
その2 抗酸化作用(アンチエイジング効果)
オレガノオイルには、体内の参加を防ぎ、細胞へのダメージを防いでくれるカルバクロール、チモール、ロスマリン酸などの「抗酸化物質」がたくさん含まれています。
チモールとカルバクロールは強力な抗酸化物質として働くことが認められており、抗酸化作用によるアンチエイジング効果なども期待されています。
また、オレガノには「ビタミンC」と「ビタミンE」の含有率がズバ抜けており、細胞の老化を遅らせるといった効果が大きいとも言われているのです。
しかし、オレガノは皮膚刺激性が高く、皮膚や粘膜に炎症を起こす危険性が指摘されている精油でもあることから、皮膚の弱い方などにとっては、オレガノ精油自体が炎症誘発物質になるケースがあります。なので、直接お肌に使用することはお勧めできません。
ただ、ニキビや吹き出物などの赤い炎症に対しては、とても効果が高いので、どうしてもお肌に使用したい場合は、使用濃度は1%以下にして、腕などでパッチテストをした後にお使いくださいね。
27種類の食用ハーブと12種類のメディカルハーブを対象にした研究では、オレガノオイルが抗酸化物質量が一番多かったことがわかっております。研究結果 → 選択したハーブの抗酸化活性とフェノール化合物
その3 抗ウィルス作用(感染症予防効果)
オレガノオイルの3つ目のすぐれた効能は、風邪や、インフルエンザウィルス、食中毒などの感染症に対して有効とされていることです。
もちろん、COVID-19 感染予防にも効果があると注目され、オレガノオイルのCOVID-19感染に関する研究が行われています。
その4 その他の効能
オレガノオイルのその他の効能としては、次のようなものがあります。
① 呼吸器系の不調に対する効果
カルバクロールには抗酸化作用によって白血球活性増作用(免疫力向上効果)が期待できること、オレガノ精油全体としては去痰作用や抗炎症作用を持つと考えられることから、咳切作用や喉の痛み、気管支炎や喘息、肺炎など呼吸器系の不調にも効果が期待されています
② 消化促進。解毒作用
食べたものの消化を助け、食中毒や消化器系の潰瘍や解毒にも効能
③ 鎮痛効果
カルバクロールやβ-カリオフィレンには抗炎症作用を持つ可能性が報告されていることから、リウマチや関節炎、筋肉痛、腹痛や 頭痛・生理痛などの痛みを和らげるといった鎮痛作用の効果が期待されています。
④ 寄生虫の除去効果
オレガノオイルは寄生虫の除去(パラサイトクレンズ)としても効果があります。
日本に住んでいると寄生虫の存在など非日常的ではありますが、よく海外旅行に行って寄生虫を持って帰ってきてしまったという話を聞いた事があると思います。
実は近年寄生虫というのは、意外と身近な存在なんですよ!
温暖化が進み、日本へも様々な影響が出始めています。
例えば、カタツムリやナメクジに寄生する広東住血線虫ですが、カタツムリやナメクジの通った跡の粘液に存在するようです。
梅雨の時期に子どもたちが、アジサイの葉にカタツムリがいて捕まえる光景をよく見ますが、万が一に備えて、カタツムリを触ったあとは、きちんと手洗いをするように子供さんに教えることは大切ですよね。
また、野菜などきちんと洗っていなかったりすれば、食べて口から侵入し、体内に生息してしまう危険性があるのです。
オレガノオイルの使用方法
ということで、万能薬のオレガノオイルですが、刺激が強いため使用方法にはとても注意が必要です。
オレガノオイルの使用方法を、症状別にご紹介したいと思います。
喉が痛い風邪かな?と思ったときは・・・
抗菌作用の強いオレガノオイルは、喉の痛みにはとても効果があります。
夜に使用して一晩寝れば、朝には嘘のようにのどの痛みが消えています。
喉が痛いときの使用方法は、舌の下に1滴垂らしてください。
強い刺激がありますが、自然に吸収されてなくなるまでは飲み込んだりしないで耐えて待ちましょう。
もし、どうしても刺激に耐えられない人は、水に1滴混ぜて飲んでください。
ただし、けっして飲まないようにしてくださいよ~。
水虫・カンジタ・スを治したい方には・・・
オレガノオイルは、すぐれた抗菌作用があるため水虫やカンジタ・ヘルペスも治してしまいます。
使い方は、直接患部に塗り、薬効成分を直に吸収することで効果があります。
ただし、刺激が強いので周辺に擦り傷などがある場合は注意してください。(キャリアオイルなどに混ぜて使用してください)
また、オレガノオイルを塗り込んだ手で、顔や目などを触ると大変な目に遇いますので、すぐに石鹸でしっかりとオイルを洗い流すことを忘れないようにしてくださいね~。
また、虫刺されや歯茎が痛い時にも、直接塗ることで鎮静効果を発揮すると言われていますが、私は一度歯肉が腫れた時に直接患部に塗って、腫れたところは良くなったものの、腫れていない歯肉にオイルがついて、そこに炎症が起こり痛みが出てしまうという経験をしたことがあります。
なので、口の中など塗りにくい場所には、直接塗るより、オレガノオイルを数滴落とした水やお湯でうがいをする方が良いと思います。