食生活を考える上で、人間をはじめとして、あらゆる動物は空腹感や満腹感の感じ方、消化、吸収、代謝の仕組みなど、生きるためのプログラムがDNAに組み込まれていることを忘れてはいけません。
バンコクでも、「日本人は稲作民族だからご飯を食べれば痩せる。1日2合は食べなさい」「野菜は下腹が出るから摂取してはいけない」といった独自理論でダイエット指導をされているサロンがあります。
他のサロンさんのことをとやかく言うのはタブーであるのですが、そこで受けた指導どおりに毎日毎日、がんばって白米を2合食べて野菜を食べない生活を続けた挙句・・・・体を壊されたり、余計に体重が増えたりして、私が経営するRENEスパに駆け込まれるお客様が非常に多いのです。
普通の人が高糖質の白米を2合も食べたら太って当たり前です!!
と、私はお客様からその指導内容を聞くたびに、何度もびっくりさせられました。
白米1合は330gになるため、通常おにぎり3個分(お茶碗にすると小盛りで3杯分)です。
2合だとおにぎり6個を食べる計算になります。
厚生労働省が推進している1日に摂取する糖質の目安は、年齢にもよりますが、
女性で平均300g~430g
になるので、白米2合を摂取すると、それだけで660gとなり、かなりの糖質過剰になってしまいます。
さらに、糖質は他の食べ物にも含まれているので、白米以外に口にするもの次第では、とんでもない糖質の摂取量になってしまいます。
どうして、このような指導をされるのか?不思議でなりません。
直接、そのサロンさんからのお話を聞いたわけではなく、お客様からのまた聞きであるため、指導されている内容に勘違い等がある可能性はあるのですが、どうも白米2合という量はみなさん共通して言われるので、本当に不思議です。
ということで、今回はあえて、「人類は稲作民族である前に肉食動物である」ということと「主食のごはんを、たくさん食べなくても大丈夫」だという理由についてご紹介させていただくことにしました。これは私の持論ではありませんよ~。
あくまでも、多くの医師や科学者、医療関係者、栄養士さんなどが研究データやエビデンスにより発信されている内容についてご紹介したいと思います。
それと、誤解のないようにしていただきたいのが、炭水化物を摂る必要がないと言っているのではないんですよ~。
炭水化物は必要で大切な栄養素には間違いありません。今回の記事では、「炭水化物を中心とした糖質を摂りすぎる食生活は問題がありますよ!!」ということをお伝えしたいのです。
「新型コロナウィルスのワクチンでも、ワクチンが良いのか悪いのか? 何が正しいのか悪いのか? 健康関連の話は正反対の意見が多すぎてもうわからなくなってきた~」
と思われている方も多いと思います。
なので、当サイトの記事に関しても、間違っていると言われる方もいらっしゃると思いますが、けっして押し付けたりするものではなく、ご自身で判断される1つの参考としていただければと考えておりますので、その点についてご了承の上お読みいただければと思います。
人類はもともと狩猟民族で肉食の生き物だった!!
人類は、400万年前に誕生からとてつも長い期間、植物の採集(木の実等)と動物の狩猟、魚や貝類の採取などによって食べるものを得てきました。
穀物や稲などを栽培するようになったのは、たった1万年前だと言われているので、人類は概ね399万年の間、狩猟や採集により生活してきたことになるのです。
それは、日本人も同じですよ~。日本人だけが、誕生したときから穀物や稲を栽培して生きてきたわけではありません。
私達のルーツのひとつである縄文人も、狩猟生活を1万2000年という長きにわたって続けていました。
今よりもずっと厳しい環境の中、私達の縄文時代の祖先は暮らしていたのですから、狩猟採取で得られた食べ物からは、必要な栄養分は確保できていたと考えられます。
弥生時代になり、私達の祖先は、「農業」により米や麦などを作り、安定的かつ恒常的に食料を確保することに成功しました。
このことにより繁栄も手に入れることになるのですが、農作物が中心の食生活は、もともと組み込まれたDNAにはそぐわないものと言えるのです。
もう少し詳しく説明していきますと、狩猟生活をしていた頃の私達の祖先は、燃料となるエネルギー源をタンパク質や脂質から摂って生きてきました。
狩猟生活は、いつも確実に食べ物を得ることはできません。狩りに成功したときに食べられるだけ食べて、脂質としてエネルギーを体内に貯蔵し、脂質の貯蔵庫から少しずつ燃料を補給して生命活動を維持してきたのです。
つまり、エネルギー源の中心は、動物や魚介類などから得られる「タンパク質」と「脂質」だったのです。
糖分は果物から摂取するという状況でした。
常に食べ物があると限らないので、食べれる時に体内に摂取したタンパク質や脂質を、ありったけの燃料に変えて巨大な「脂質の貯蔵タンク」に貯蔵して、食べ物がないときには、脂質の燃料タンクから少しずつ燃料を補給して生き延びてきました。
緊急に燃料が必要な、「獲物を追いかける時」「猛獣から逃げる時」など、すぐに簡単に取り出せる糖質の燃料タンクからエネルギーを取り出して使ったと考えられています。
そのため、私達のDNAに組み込まれた代謝システムというのは、もともと脂質を燃料としてエネルギーに変える「ファットバーニング」に合わせて作られているのです。
もちろん、狩猟生活であっても、糖質もエネルギー源として使用されてはいましたが、現代のように糖質を大量に摂れる環境ではないため、脂質のエネルギーが切れた時だけ、すぐに取り出せる「補助タンク」として糖質の燃料庫を使用していたのです。
つまり、普段はファットバーニングのシステムを使って燃料を補給し、緊急時だけシュガーバーニングのシステムに切り替えていたというのが、人間本来の代謝システムであり、言い換えれば人間はもともと肉食の生き物であり、なんとそれは399万年間も続いてきたということになるのです。
穀物を栽培し、穀物に含まれる糖質からエネルギーを得るようになったのは今からたったの1万年前のことであり、399万年の間「人間は肉食動物」として組み込まれてきたDNAに比べると、穀物を食べる生活というのはたった1万年ほどの浅い浅い歴史しかないのです。
さらにこの代謝の構造は、実は基本的に現代もほとんど変わってはいないのです。
糖質に満ち溢れた現代はシュガーバーニングのシステムだけを使うようになる
1万年前から、私達の祖先は、畑を耕して穀物を得ることで、エネルギーを必要以上に使わなくても済むようになりました。
実は、炭水化物を糖質として体内に貯蔵しておける貯蔵タンクの容量は、たった2000キロカロリーしかないのです。
けれど、仮にエネルギーを使うことがあったとしても、食べ物は豊富にあり、すぐに食べることでタンクは満杯にできるようになりました。
キャパシティの少ない糖質の燃料タンクだけで十分にエネルギー源をまかなっていけるようになったため、私達は、簡単に燃料を取り出せる糖質のタンクを使って暮らすようになってしまいました。
このことにより、人類は糖質を過剰に摂取するようになり、体のあちらこちらに不具合が生じるようになってしまったのです。
まず、最初にしっかりと知っておいていただきたいのが、私達は本来、脂質やタンパク質をエネルギーとして使う代謝システム(ファットバーニング)をDNAとして持つ肉食動物の1つです。
「糖質は本来、脂質のエネルギーがなくなった時に補助的役割で使うもの」であり、糖をエネルギー源の中心として考えるのは大きな間違いだということです。
このシュガーバーニングとファットバーニングの代謝システムについては、別の記事で詳しく書いておりますので参考にしてください。
食生活の変化と糖質がもたらした現代病の恐怖
糖質中心の生活になってから、人々を恐怖に陥れた病気が「糖尿病」です。
日本の糖尿病患者数は、かつては100人にひとり程度でした。
ところが、平成27年の厚生労働省の調査によると、糖尿病が強く疑われる人の割合は
男性19.5パーセント、女性9.2パーセントまで増加しています。
日本では、糖尿病の患者が増え始めたのは、戦後20年を過ぎたくらいからだそうです。
この理由としては、高度経済成長によって生活が豊かになり、主食のお米や麺類はもちろん、砂糖入りのお菓子やジュースまでも、誰もが自由に口にできるようになったから、つまり糖質が手軽に摂取できるようになったからです。
それ以前の時代は、糖尿病患者はほとんどいませんでした。
歴史上で糖尿病の記録が確認できるのは、今から訳1000年前の平安時代に生きた藤原道長です。
晩年の道長の様子を記した、藤原実資の「小右記」において、
藤原道長は、急激にやせ細って水をよく飲むようになり、視力が年々衰えて目の前の人物の顔の判別もできなくなった
と記されています。
しかし・・・・これは、道長が当時は貴重だった糖質を日ごろから食べられる特権階級だったからであり、一般の人々には糖尿病患者などいませんでした。
前述したとおり、私達はDNAに刻まれてきた脂質からエネルギーを得る食生活を、勝手に糖質中心の代謝システムへと変えてしまったことで、様々な「生活習慣病」に苦しむことになってしまったのです。
また、糖質が大好きなのは、私だけでなく、私達の腸に存在する「腸内細菌」も同じです。
とくに、私達の体に悪さをする「悪玉菌」は、糖質が大好きです。
腸内細菌が求める「糖質」を、私達は腸内細菌に忖度しながら摂り続けているというのが現状です。
けれど・・心臓も肝臓も、脳も、その他のすべての臓器も、実はエネルギー源として糖質ではなく脂質を好んでいます。
人間の体は、糖質つまりグリコースが好みではないのです。
筋肉の細胞も、グリコースではなく脂肪酸に依存しています。
つまり筋肉からできいる私達の臓器すべては、脂肪酸を燃料として使うのが非常に上手にできているのです。
糖質が好きなのは、私達自身と、腸内の悪玉細菌たちなのです。
そして・・・糖質を摂りすぎると、過剰な糖は肝臓で中性脂肪に作り変えられ、脂肪の中にどんどんと中性脂肪が詰め込まれていくことで肥満が発生します。
痩せたいのなら糖質を控えろ!!
肥満になりたくなければ糖質を控えろ!!
これは正しいことであり、糖質をしっかりと管理していくことは、健康で長生きするためにも必要不可欠なことなのです。
そんなことから・・・
ご飯は、1日お茶碗中に2杯程度に収めていただけると・・・ほどよくスタイルを保てるはずだと思いますよ~
・ RENEスパの関連会社である日本の(株)RENEは、同志社大学生命医学部「抗糖化リサーチセンター」「アンチエイジングセンター」と共同で、抗糖化植物であるタイが原産地のハーブ「黒ガリンガル」の抗糖化研究を行っております。